知識が豊富な人や何でも上手にできる人のことを「あの人って天才だ!」と言ったりしますよね。ですが、実際のところ天才って何なのかと聞かれると、ちょっと説明が難しいものです。そこで今回は、天才とは何なのかについて一緒に考えてみましょう。

 

 

 

 

 

 

1:天才と秀才の違いとは?

天才が何かというのもわかりづらいですが、似たような言葉に秀才という言葉もあります。その違いもわかりづらいですよね。まず天才の意味を辞書で調べてみると、その意味は下記のとおりです。

天才

生まれつき備わっている、並み外れてすぐれた才能。また、そういう才能をもった人

出典:デジタル大辞泉(小学館)

何となくわかるものの、いまひとつわかりづらいところです。スタンフォード大学で教授だった、ルイス・マディソン・ターマン(Lewis Madison Terman)というアメリカの心理学者がいます。知能検査で有名な心理学者ですが、ターマンは知能指数(IQ)で140以上ある人を天才と定義しました。

 

知能指数とは、知能年齢を暦年齢で割り、それに100をかけて指数化したものです。簡単に言えば、10歳のときに10歳で身につけておくべき知能があれば100ということです。ただ現在では、知能指数そのものに対する信頼性を疑問視され、専門的には批判されることが多い指標でもあります。

 

続いて、秀才について辞書で調べみると下記のとおりでした。

秀才

1 非常にすぐれた学問的才能。また、その持ち主。
2 中国で、科挙の試験科目の一。のち、科挙に応じる者および合格者をさすようになった。また、明・清時代には府・州・県学の在学生を称した。
3 律令制の官吏登用試験科目の一。また、その試験に合格した者。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

どうやら、天才よりも秀才のほうが古くから使われている言葉で、学問的な知識が豊富な人という意味のようです。つまり、天才と秀才の違いは、秀才は勉強して得た知識が豊富なこと。天才は生まれながら何かしらの優れた才能があるということを意味しているようです。秀才は努力の人とも言えるかもしれませんね。

2:【性格】本物の天才の特徴5つ

ところで、天才とよばれる人たちに何かしら性格的特徴はないものでしょうか。「偉人・天才の心理学」(高鳴正士)という本を参考に考えてみましょう。

 

(1)熱中しやすい

興味をもったことや好きなことに対して、熱中して取り組みます。例えば、魚が好きだったら魚の名前を全部覚えてしまうという具合です。反対に、興味がないことや好きではないことには、見向きもしないところもあります。

(2)初志貫徹

決めたことは必ずやり遂げる初志貫徹な性格の人に、天才とよばれる人は多いでしょう。いわゆるルーティンが決まっていることがほとんどです。

(3)マイペース

周囲のことはおかまいなしで、マイペースな性格の人が多いかもしれません。自分が熱中したら、まわりに合わせることなくとことん追求しはじめます。

(4)社交的ではない

天才とよばれる人の多くは、人間関係があまり得意ではない人が多いかもしれません。言い換えるなら、社交的な性格ではないということです。きっと、マイペースさや熱中したら周囲が見えなくなることが影響しているのかもしれませんね。

(5)ストイック

熱中しやすいことと初志貫徹な性格から、ときにストイックに見えることもあるでしょう。適当にやっておくということができず、一度決めたら最後までやり通す姿がストイックに映るのかもしれません。

3:【行動】本物の天才にありがちな言動5つ

(1)集中力がすごい

天才とよばれる人たちは、集中力がハンパなくあります。特に自分の好きなことや興味があることなら、寝食を忘れて没頭します。

(2)協調性がない

自分が好きなことや興味があることに対してはものすごく集中するものの、それ以外に興味がないため、団体行動には向かず協調性がないと判断されることもあるでしょう。空気を読むのが苦手なのが、天才とよばれる人たちです。

(3)世間の目を気にしない

また世間からどう思われていようが全く気にならないのも、天才とよばれる人たちの特徴かもしれません。例えば、研究者とよばれる人たちはファッションに関心がなく、髪の毛がぼさぼさだったり、毎日同じような服を着ていたりする人たちがいます。

 

これは、関心がないことに時間を取られたくないという気持ちや、まわりからどう見られてるかなんて関係ないという意識が影響しているからです。

(4)人とは違う考えや行動をする

太陽が地球のまわりを回っていると考えられていた時代に、地球が太陽のまわりを回ると考えるのは、かなり変だったはず。天才とよばれる人たちは、そんな世間の人が考えもしないことを考えます。そのため、変わり者や変人扱いされてしまうこともたびたびあるでしょう。

(5)会話が成り立たない

会話が成り立たないというより、何を言っているかわからないのが天才な人です。つまり、自分はわかっているために相手に詳しく説明したり、相手にわかるように話したりするのが苦手です。天才研究者や大学の先生が何を言っているのかわからないというのも、このケースでしょう。

 

 

 

 

 

4:本物の天才に関する名言3つ

最後に、天才に関する名言を紹介しておきましょう。

(1)天才は99パーセントの努力と1パーセントのひらめき

誰もが知っているトーマス・エジソンの言葉です。一般的には、「エジソンだって努力したんだ」と99%のほうに注目が集まってしまいますが、天才か天才じゃないかを分けるのは、じつは1%のひらめきの部分で、これこそ生まれもったものと理解できなくもない言葉です。

 

 

 

 

(2)天の一角から見おろす

司馬遼太郎氏は『人間というもの』という本の中で、下記の言葉を残しています。

物事は両面から見る。それでは平凡な答えが出るにすぎず、智恵は湧いてこない。いまひとつ、とんでもない角度、つまり天の一角から見おろすか、虚空の一点を設定してそこから見おろすか、どちらかしてみれば問題はずいぶんかわってくる

出典:『人間というもの』/司馬遼太郎(PHP文庫)

一般的には、物事を裏表両方から見なさいと言いますが、それではまだまだ凡人のまま。天才は、思いもよらないところから物事を見ているというわけです。

 

 

 

 

(3)出過ぎる杭は打ちにくい

これは元日本航空パーサーの黒木安馬氏の本のタイトルです。天才は社会からはみ出しているものの、飛び抜けすぎていて一目置かれるということでしょうか。

 

 

 

 

5:まとめ

天才は生まれながらなので、いまから天才とよばれたいと思っても難しいかもしれません。そんな私たちにできるのは、せめて秀才とよばれるように努力することかもしれませんね。