心理学的に「泣く」という行動は、ストレス緩和効果があると言われています。ですが、辛いときや悲しいときにも、うまく泣けない、「泣くのが苦手」な人もいます。それは、どうしてでしょうか。また、泣きたいときに泣くにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、泣くのが苦手な人の心理や上手に泣く方法について考えていきましょう。
1:泣くのが苦手…
大人になって泣くのは、なんだか恥ずかしいことだと思っている人も少なくないでしょう。ですが、心理学的には、泣くことでストレス緩和といった肯定的な変化をもたらすことがわかっています。つまり、泣くことで、悲しい出来事やイヤな気持ちになったストレスを解消できるのです。
また、自己と向き合い、精神的な成長につながる積極的な意味もあると言われています。
ですが、「泣くことは自分の感情がコントロールできないことの証」「自分の弱さを露呈する行動」といった否定的な意味に捉える人も一定数います。そのため、泣くのを我慢する人や、上手に泣けないという人がいるのです。
2:泣けない人診断!人前で泣けない人の特徴や心理5つ
それでは、もう少し具体的に、「人前で泣けない人」の特徴や心理について考えていきましょう。
(1)関係が悪くなると思ってしまう
例えば、上司からきついことを言われたり、友達からイヤなことを言われたりされたりしたとします。もし、そんなときに泣いてしまったら、相手との関係が悪くなるんじゃないか、気まずくなるんじゃないかと思ってしまうのです。そんな心配をする人ほど、人前では泣けません。
(2)恥ずかしいことだと思っている
いい大人が人前で泣くというのは、恥ずかしいことだと思っている人も、やっぱり泣くのを我慢してしまいます。そして、恥ずかしいと感じることで、自分の立場を悪くしたり、価値を下げてしまったりすると思っているのです。
(3)泣くことは意味がないことだと思っている
よく、「泣いても何も解決しないんだから泣くな!」なんて言われることがありますが、泣いても意味がないと思っていると泣けませんよね。
本当は、その瞬間のイヤな気持ちを解消するという心理的な効果があるにもかかわらず、そういった部分が無視され、「起った問題を解決するためには泣いているヒマなんてない」という考えが前に出てしまうと、なかなか泣けないものです。
(4)プライドが高い
泣くことは、自分の弱さを見せることだと思っている人は少なくありません。特に男性の場合、その傾向が強いでしょう。弱さが見せられないというのは、自分自身へのプライドが高い証拠です。
(5)本当は泣くほど悲しいとは思っていない可能性も
喜怒哀楽の許容度は人によって違います。なので、他人が悲しくて泣いていて、自分も同じように悲しい気持ちになっていても、「泣くほどではない」ということもあるでしょう。ただこれは、悲しさに自分が強いというわけでは必ずしもないので、いいことなのか、悪いことなのかはわかりません。
3:泣けない人もこれでスッキリ!泣きたいときに泣く方法5つ
それでは、泣きたいときにちゃんと泣けるようになるには、どうすればいいのでしょうか。
(1)リラックスする
泣きたいと思っているに、リラックスしたら逆効果じゃないのかと思う人がいるかもしれません。ですが、泣きたいのに泣けないのは「泣いたらダメだ」と緊張していることが影響している可能性があります。
そのため、ゆっくりお風呂に入ったりしてリラックスしていると、ふと涙が出てくるということがあるのです。
(2)別の悲しいことを思い出す
泣いてストレスを解消しようとするときは、泣くという行動が大事なので、ストレスがかかっていることとは違う理由で泣いても大丈夫です。
これを思い出したら、必ず泣いてしまうというような悲しい出来事があるのなら、それを利用するのもひとつの手です。感情移入は、泣くための効果的な手段です。
(3)気持ちを整理する
これもある意味で、リラックスするのと同じ効果なのですが、紙にいまの気持ちや考えていることを書くなどして整理をすると、泣けなくさせている原因を取り除くことができる場合があります。
(4)ひとりになる
プライドが高かったり、泣くことを恥ずかしいと思っていたりする人は、どんなことをしても人前では決して泣けません。まずはひとりっきりになれる場所や時間を作りましょう。
泣きたいと思ってから探すのも大変なので、泣きたいときに行く場所を事前に決めておくとのもいいかもしれませんね。
(5)無理に泣こうとしない
いちばん大事なのは、無理に泣こうとしないことかもしれません。例えて言うなら、早く寝ないといけないときに、「寝ないとダメだ!」なんて思うと、よけいに眠れませんよね。それと同じことです。
4:まとめ
男性の場合、「男は泣くもんじゃない」と言われて育てられてきていることもあり、なかなか簡単には泣けないという人もいるでしょう。
女性だって、「女は、すぐに泣いたらいいと思って」というように、泣くことを否定的に捉えている人は、結構たくさんいます。ですが、老若男女を問わず、泣くことは心理的に大切なことなんです。泣きそうになったら、何も考えず、何も気にせず泣いてみてください。