「髪」という漢字は、よく使います。まぁ、日常的に書くことはないでしょうが、テレビのコマーシャルや髪の毛を洗うときのシャンプーのボトルなどに書かれていたりするので、この漢字を見ない日はないでしょう。

 

この髪という漢字ですが、部首はなにか知っていますか。知っている人は、なかなか漢字に詳しいかも知れませんね。

 

髪の漢字の部首は「かみがしら / かみかんむり」で、「髪」という字の「友」をのぞいたうえの部分です。そして、「かみがしら/ かみかんむり」がつく漢字というのは、じつはけっこうな数が存在します。今日はそのなかでも、「髻」をテーマに話をすすめていきましょう。

 

「髻」という字は、なかなか日常的に目にすることはありません。なので、この漢字が読めるという人は少ないでしょう。読み方は「たぶさ」もしくは「もとどり」です。「みずら」とよぶ場合もあります。

 

読み方はさておき、「髻」とは髪の結い方の一つで、髪の毛をまとめて頭の上で束ねる結い方です。いわゆる「髷(まげ)」も、髪形の基本は頭頂で束ねて、折り返したり、曲げたりして整えることなので、広い意味で「髻」と「髷」は同じ髪形を指しているともいえるでしょう。頭頂で束ねて、折り返したり、曲げたりして整えるといっても、髪をポニーテールのように一束にしてまとめることは少ないかもしれません。多くの場合は、髪をいくつかの部分にわけて結い上げることで、多様な髻や髷の形をつくりだしています。

 

また、髪を結うといっても、前髪、鬢(びん)、髱(たぼ)を結うことです。前髪は説明しなくても、額の前に垂らした髪の部分というのは知っていますよね。鬢というのは、耳ぎわの頭髪の左右側面の部分です。髱は、後頭部の髪の部分を指します。ちなみに「うなじ」は、首のうしろの部分で、えり首や首すじのことです。

 

これら、前髪、鬢、髱に囲まれた頭頂部の部分に髪を集め、「根(ね)」とよばれるものをつくり、それを中心として髷がつくられていきます。根は髪を束ねた根本のこと。髷の形によって頭の前方に根がつくられたり、頭の中央につくられたり、後方へと変化していきます。根がちゃんと決まるかどうかが、日本髪の美しさを決めているともいえるでしょう。ですが、日本髪はそれだけではないんです。