「ピーターパンシンドローム」とは、成熟した大人になることを拒んで、現実から逃避する傾向のある男性を指し示した症候群。大人になるということは、確かに責任も伴いますし、大変なことも多いですが、避けられないもの。それを拒否する男性には、どんな特徴があるのでしょう。そこで今回は、ピーターパンシンドロームについて、詳しく見ていきましょう。
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1:ピーターパンシンドロームとは?
ピーターパンシンドローム(Peter pan syndrome)とは、「永遠の少年」であるピーターパンにちなみ、「いつまでも大人社会に適応できない男性の心的病理現象」のことを指しています。
アメリカの心理学者であるダン・カイリー氏が、1983年に記した同名著書で、「成長することを拒む男性」と定義しました。心理学的には、誰でももっている特性の一種として考えられており、特別な病気というわけではありません。
わかりやすくいえば、社会人としてちゃんとやっていく能力に欠ける人ともいえます。そういわれると、けっこう身近にもそういう男性がいるのではないでしょうか。
2:ピーターパンシンドロームの特徴10個
ピーターパンシンドロームの人にはどんな特徴があるのでしょうか。ダン・カイリー氏の著書を参考に、その特徴を考えてみましょう。
(1)子どもっぽい
大人になりきれないのが、ピーターパンシンドロームのいちばんの特徴です。そのため、発言ややることが、すべて子どもっぽい傾向にあります。小学生とまではいきませんが、「高校生かよ!」というような言動をしがちです。
(2)無責任
仕事に対しても人間関係に対しても無責任というのも特徴です。仕事を転々としていたり、必要に迫られない限り働こうとしなかったりします。「そのうちどうにかなる」が口癖だったりします。
(3)友達がいない
アニメや童話のピーターパン同様に、親友と呼べるような本当の友達がいない傾向があります。というのも、ピーターパンシンドロームの人は自分勝手(=自己中心的)な人が多く、友達をつくろうとしても周囲が仲良くなろうとしないのです。
きちんとした人間関係をつくることができず、モノをプレゼントしたり、食事をおごったりして、友達をつなぎ止めようとする人もいます。
(4)経済的自立ができない
社会人でありながらも、親と同居していて、親から金銭的な支援を受けているケースも。いわゆる「すねかじり」や、その日暮らしの生活を送っているのも特徴のひとつとされます。
(5)恋愛対象が子ども
大人の付き合いができないため、恋愛対象が自分より年下だったり、未熟なタイプの女性と恋愛をする傾向にあります。また、真剣な交際ができないため、結婚までに発展せず、付き合っている期間が短いという特徴も。
(6)遊び好き
パーティやイベントが大好き。スポーツ観戦などにも頻繁に出かける傾向があります。そして、そこでは誰よりもいちばんに騒ぐタイプです。
(7)我慢ができない
大人になると、自分の思いどおりにならなくても、周囲の調和を大事に我慢する場面もあるでしょう。ですが、ピーターパンシンドロームの人は、自分勝手で、自分の気持ちを最優先しがち。そのため、人を傷つても平気だったりします。
(8)プライドが高い
大事なのは何よりも自分なので、我慢ができないこと同様に、自分勝手に自分を最優先しがちです。失敗しても自分の非を認めず、周囲のせいにする傾向も。自分を優秀、賢いと思っていることもあります。
(9)マザコン
母親が特別好きというわけではありませんが、母親に嫌われるのを極端に避ける傾向もみられます。
(10)したいことがない
将来の夢や、いつか達成したい目標など、長い人生において、したいことがない人も多いようです。そのとき、その一瞬さえ楽しければそれでいいという、刹那的な考え方です。
3:彼がピーターパンシンドロームかも…対処法3つ
では、もし恋人や身近にいる男性がピーターパンシンドロームかもしれないと思ったら、どうすればいいのでしょうか。
(1)受け入れる
ピーターパンシンドロームは、心理学や精神医学的な病気だとは考えられていません。そのため、「治療」をすることは難しいでしょう。
もちろん、カウンセラーなどの専門家のアドバイスを受けることはできますが、本人が素直にカウンセリングを受けるかどうかが難しいところ。そのため、身近な人がピーターパンシンドロームだった場合は、まずはありのままを受け入れてあげましょう。
(2)小さな責任を与える
幼稚園児くらいの子どもに対して、その子なりにまっとうできる仕事(=責任)を与えることがあります。いわゆる「お手伝い」です。ピーターパンシンドロームの人は、見た目が30歳や40歳の大人でも、子どもだと考えてみましょう。達成できる小さな責任を与えて、やりきることの大事さや楽しさを実感させるのがおすすめです。
(3)自立させる
荒療治ですが、親元を離れさせてひとり暮らしをするなど、自立を促してみましょう。誰も助けてくれないという状況をつくれば、嫌でも自分でするしかなくなってしまいます。そのときは、たとえピーターパンシンドロームの人が途中で投げ出したりしても、怒ったりイライラしたりせず、見守ることが必要です。
4:まとめ
明確な統計があるわけではありませんが、ピーターパンシンドロームの人は少なくないといわれています。そして、それは生まれ育った環境などが原因なのだそう。
ピーターパンシンドロームの人も、好き好んでピーターパンシンドロームになっているわけではないはず。見守りながら、大人になる手助けをしてあげることが大事になってくるでしょう。