おせっかいな人というのは、どこにもでいます。本人は、親切のつもりや相手のことを思っていろいろとやってくれるのでしょうが、ありがた迷惑である場合も少なくありません。ではそんなおせっかいとは、どのような心理から生まれるのでしょうか。そこで今回は、おせっかいの秘密に迫ります。
1:おせっかい(お節介)とは?
そもそも「おせっかい」とはいったいなんなのでしょうか。辞書などを使って、おせっかいの意味について確認していきましょう。
(1)おせっかいの意味や語源
辞書を調べてみると、おせっかいの意味が次のように載っています。
おせっかい
でしゃばって、いらぬ世話をやくこと。また、そういう人や、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
常日ごろ、私たちが思っているとおりの意味ではないでしょうか。「でしゃばって」というところから、「頼んでもないのに……」というようなニュアンスを感じ取ることができるでしょう。
ところで、おせっかいという言葉ですが、小学館発行の『日本大百科全書』によれば、「ちょっかい」が語源なんだとか。
ネコが前足で物をかき寄せるしぐさを「ちょっかい」といい、それと杓子(=しゃもじ)でかき寄せるしぐさが似ていることから、飯杓子(めしじゃくし=ごはんをよそうしゃもじ)を縦に半分に切ったような形の切匙(せっかい=へら)を、この杓子に見立てたのがはじまり。さらに、切匙に節介(せっかい)の字をあてて「ちょっかい」と同義にしたというのが定説です。
話がややこしいので、もう少し丁寧に説明してみましょう。忙しいときに「ネコの手も借りたい」と思うものの、実際にネコが手を出すと余計な仕事が増えて迷惑になりますよね。そして、ネコが手を出すことが「ちょっかい」であり、その仕草がごはんをよそう仕草と似ているわけです。
ごはんをよそうときに使うのはしゃもじですが、しゃもじと切匙はよく似た形。そこで、「ちょっかい」と「切匙」がつながり、「切匙」が同音の「節介」と表記されて、かえって迷惑になるような余計な世話をやくことをおせっかいというようになったわけです。
(2)おせっかいの類語や言い換え表現
おせっかいの意味がわかったところで、よく似た意味の言葉を考えてみましょう。例えば、「余計なお世話」「僭越」「差し出がましい」などがそれにあてはまるでしょう。
(3)おせっかいを英語で言うと?
ちなみに、「おせっかい」を英語で言うときには、「mind your own business」というイディオムを使うようです。これは「余計なお世話」「あなたには関係ない」という意味となります。
2:おせっかいな人の特徴5つ
では、おせっかいな人の特徴について、考えてきましょう。
(1)社交的
人とのつきあいに積極的で、社交的な性格の人におせっかいな人が多い傾向があります。というのも、相手が困っているのだから、積極的に関わりをもって助けてあげたいという気持ちになるからです。社交的な人にとって、人助けは楽しい活動でもあるんです。
(2)世話好き
そもそも人の世話をするのが好きという人がいます。こういう人は、ついついやり過ぎておせっかいになることも少なくないでしょう。
(3)心配性な性格
心配性な性格で周囲のことが気になって仕方がないというという人も、おせっかいな傾向があるでしょう。周囲の人が困っていないかがつい気になってしまい、余計なことまで首を突っ込んでしまうのです。
(4)他人の気持ちがわからない
もちろん困っていて、助けてほしいと思っているときに助けてもらえるjのは嬉しいですよね。それは親切といえるかもしれません。しかし、おせっかいは、かえって迷惑になるような余計なお世話。つまりは、そこまで求めてないんだけど……という手助けです。
おせっかいな人は、相手がどこまで求めているか、相手の気持ちが考えられないという特徴があるでしょう。また、世話好きな人は誰かの世話や手助けをするのが好きだからこそ、やりすぎてしまうといいましたが、こういう人も、相手の気持ちまで考えが及んでいないといえます。
(5)自信がある
自分なら解決してあげられるとか、自分が助けてあげないといけないという意識が強いという特徴もあげられます。だからこそ、頼んでもいないのに世話をしてくるというおせっかいにつながってしまうんです。
3:おせっかいな人の心理3つ
では、おせっかいな人の心理について考えていきましょう。
(1)さみしがり屋
さみしがり屋で誰かと関わっていたいという気持ちが強いことが、おせっかいに影響しているかもしれません。誰かと関わりたいので、頼まれてもいないのに、世話や手助けをして関係をもとうとするんです。
(2)必要とされたい
誰かに必要とされたいとか、誰かの役に立ちたいという気持ちからおせっかいになることも。これも、誰かと関わっていたいという気持ちの表れといえます。
(3)相手を思いどおりにしたい
さみしがり屋や必要とされたいとは違う心理として、相手を思ったようにコントロールしたいという、支配の気持ちが影響することもあります。つまり、自分が手助けや世話をすることで、結局は自分の思いどおりに物事をすすめようとしているわけです。
4:おせっかいな人の対処法3つ
では、周囲におせっかいな人がいたらどう対処すればいいのでしょうか。
(1)聞き流す
おせっかいがアドバイスといった程度であれば、聞き流しましょう。完全に無視をしてしまうと角が立つので、「アドバイスありがとうございます。参考にしますね」くらいで返事をしておけばいいでしょう。
(2)ささいなことを助けてもらう
口だけじゃなくて手も出してきそうなときは、影響がでないようなささいなことを助けてもらいましょう。黙っていると、ドンドン手を出されてしまうので、「○○ができないんで、それを助けてもらえませんか」と具体的に示してみましょう。相手は、頼りにされたという満足感を得るので、そこでおせっかいが止まる可能性があります。
(3)いっそのこと任せる
なんなら、もう全部任せてしまうというのもひとつの手です。ものは考えようで、相手はおせっかいができて満足できますし、あなたは仕事がひとつ減るわけです。お互いに、「win-win」ができあがっている思えばいいかもしれません。
5:まとめ
おせっかいは決して悪気があって起こるわけではなく、行きすぎてしまうことで生まれてしまいます。結局は、ふたりの間のコミュニケーションでうまくいっていないことが原因なのかもしれませんね。