忙しくてバタバタしているとき、他のことや周囲のひとの気持ちを考えることって、なかなか難しいですよね。そういうときの状態を「心に余裕がない」と言ったりします。ですが、そもそも「心の余裕がない」とは、具体的にはいったいどういうことなのでしょうか。
1:心に余裕がないって英語でなんて言う?
まずは、「心の余裕がない」とはどういうことなのか、その意味を確認しておきましょう。
(1)心に余裕がないの意味
心に余裕がないという言葉は、実はいくら辞書を調べても載っていません。そこで「余裕」の意味を調べてみました。小学館発行の『デジタル大辞泉』を調べてみると、余裕の意味として「ゆったりと落ち着いていること。心にゆとりがあること」という意味が載っています。
つまり、「余裕がない」というのは、それは「心のゆとりがない」ことを意味しているわけで、「心に余裕がない」というのは重ね言葉で適切ではないということになるでしょう。
(2)心に余裕がないを英語で言うと
さて、この「心の余裕がない」を英語で言うとしたら、なんて表現すればいいのでしょうか。なかなか直訳することはできないのですが、焦っているとか、忙しいとか、手一杯とか……そういう意味で考えてきましょう。すると、思いつくイディオムがいくつかあります。
例えば、「hands are full」。文字からわかるように手一杯という意味です。「My hands are full.(=もう、いっぱいいっぱい)」というように使います。他には「have no room for」という表現もあります。「room」というのは部屋という意味ではなく、スペースという意味。まさに、余裕がないという言葉です。
「 I have no room for doing the job.(=その仕事をする余裕がない)」 のように使います。他には「can't afford to~」という言葉。「afford」は、余裕があるという意味の動詞です。「I can’t afford to do that.(それをする余裕がない)」のように使います。
2:心に余裕がない人の特徴4つ
ところで、心に余裕がない人ってどんな人なのでしょうか。
(1)ストレスを感じやすい
心に余裕がない状態というのは、時間的に忙しいとか、能力的に仕事の処理のキャパシティーを超えているということよりも、気持ち的にイライラしている状態を表しています。そう考えると、すぐにイライラしてしまう人や、ストレスを感じやすい人は、主観的に忙しい、面倒と思いやすくなります。そのことが結果的に、心に余裕がない状態を生み出してしまうんです。
ストレスをうまく発散できると、心の余裕を作ることもできるのでしょうが、ストレスを発散すること自体が苦手だと、それはそれでストレスを溜め込んでしまい、ますます心の余裕をなくしてしまいます。
(2)コミュニケーションが苦手
例えば、仕事などで忙しくなっても、周囲の人に協力や助けを求めればなんとか乗り切れるものです。ですが、人に助けを求めるのが苦手な人は、どうしても自分で抱え込んでしまいがちです。結果的に、自分の処理能力のキャパを超え、心に余裕がなくなってしまいます。
おねだり上手とか、甘え上手な人って、言ってみればコミュニケーションが上手で、そういう人は心に余裕を持っているのかもしれませんね。
(3)段取りが苦手
段取りが苦手な人も、心に余裕がなくなりやすい人と言える場合が多いかもしれません。例えば、料理。ちょっと手の込んだ料理を作ろうとしたときに、すぐにあたふたする人は段取りが苦手で、心に余裕がなくなってしまいます。それに対して、段取りが得意な人は、料理の合間をぬって調理器具を洗ったりして、キッチンに使った物があふれているということがありません。
これは料理に限らず、仕事でも言えること。いくつかの仕事が重なったときに、優先順位を決められず言われた仕事から片付けていくような人は、あとから締切りが早い仕事を言われると、どの仕事から処理をしていいかわからず心の余裕をなくしてしまいます。
(4)真面目な一面も
ストレスを感じやすいとか、コミュニケーションが苦手とか、段取りが苦手とか、悪いところしかない気がしますが、そんなことはありません。心の余裕がない人は実は真面目という特徴があります。真面目すぎて手抜きができず、いっぱいいっぱいになってしまうわけです。
3:イライラする…心に余裕がない時の対処法3つ
それでは、もし自分に心の余裕がなくなったとき、いったいどう対処すればいいのでしょうか。
(1)優先順位をつける
例えば、締切りの早い順から仕事に取りかかるとか、重要度の高い仕事から取りかかるようにしましょう。いっそのこと、締切りが先の仕事ばかりだったら、一端手を止めて何もしない日を作って気分をリフレッシュさせるというのもいいかもしれません。
(2)助けを求める
心に余裕がないときは、実際問題として自分の能力を超えて処理しないといけないことがあったり、時間的制約があることがほとんど。そういうときは、いっそのこと誰かに助けを求めましょう。
心の余裕のない人は真面目な性格の人が多いので、誰かに任せることに不安を覚えがちです。誰にでも頼むというのではなく、自分が信頼できる人に頼むようにすると、ちゃんと仕事をやってくれるだろうかという余計なストレスを抱え込まなくてすみます。
(3)完璧を追及しない
もちろん、仕事を中途半端にするというのはよくありません。しかし、必要以上の完璧さを求めないようにしましょう。真面目な性格だと、完璧な仕上がりを求めるかもしれませんが、完璧さを求めるがあまり心に余裕がなくなってしまうと、結果的に仕上がりが悪くなってしまいます。
4:心に余裕がない人への接し方
ではもし、心に余裕がない人が周囲にいたら、どう接したらいいのでしょうか。
(1)相手のペースに合わせてあげる
心に余裕がないのは、その人の許容量を超えているからです。仕事を頼むにしても、相手の能力やペースに合わせて振るようにしましょう。
(2)放っておいてあげる
イライラ・バタバタしている人を見ていると、手伝ってあげたくなりますよね。ですが、相手が求めてくるまで、しばらく静観しておきましょう。
例えば料理でも、いくらバタバタしているかといって、勝手に洗い物や片付けをすると「もう、あとで使おうと思ってたんだから、片付けないで!」なんて怒られたりしますよね。まずは相手の様子を見て、相手がある程度の段取りや心の整理ができるまで見守ってあげましょう。
(3)手伝うときは聞く
放っておいてあげたほうが良いとは言いましたが、かといって黙って見てるのもつらいもの。そんなときは、「何か手伝おうか?」と聞いてあげましょう。「これから手をつけたほうが良いよ」とか「こうすればいいよ」というアドバイスは逆に混乱させてしますので、やめたほうが良いでしょう。
5:心に余裕がない人へかける言葉・名言
正直なところ、本当に心に余裕がない人には、名言どころではないと思うのですが、いくつか紹介しておきましょう。
(1)止まりさえしなければ、どんなにゆっくりでも進めばよい
これは、中国の春秋時代の思想家である孔子の言葉です。ちょっと関係ないですが、卒論提出間近の学生にもときどきかける言葉です。「1日100文字でも毎日書けば、3か月で1万字の卒論が書けるよ」と。
言い替えるならば、「継続は力なり」でしょうか。心に余裕がなくなると、早くやらなくちゃと思いますが、早くやらなくても良いんです。少しずつでも、前進には変わらないんですから。
(2)未来を心配してばかりいたら、現在を思うさま楽しむゆとりが奪われてしまう
アメリカの名女優、オードリー・ヘップバーンの言葉です。もう説明せずとも、いいたいことは伝わりますよね。
6:まとめ
誰だって、心に余裕がなくなることはあります。そんなときこそ、焦らず落ち着くようにしましょうね。