イヤなことがあったり失敗したりしたときに、気分が沈むのは当然です。ですが、はっきりとした理由があるわけでもないのに、急に気分が沈むということもありますよね。いったい、どうしてなのでしょうか。そこで今回は、気分が沈む原因や対策、そして気分が落ち込むときに疑われる「気分障害」について考えていきましょう。

 

 

1:意味なく涙が出ることも…なんとなく気分が落ち込むのはなぜ?

気分が落ち込む(=気分が沈む)原因は、さまざまです。原因がわかっている場合、その原因がなくなれば気分の落ち込みもなくなります。ですが、原因がわからない場合や気分が落ち込んだ状態がずっと続くような場合は、何かしらの病気の可能性も考えられます。

2:気分障害を診断する基準

原因がわからず気分が落ち込んでいたり、気分が落ち込んでいる状態がずっと続くような場合は、病院に行ったり専門家に相談することをおすすめします。というのも、それは「気分障害」の可能性があるからです。

 

気分障害とは、文字どおり、気分に関して障害をきたしている状態です。必ずしも気分が落ち込んでいる状態だけではなく、理由なく気分がハイになってしまう状態も、気分障害だといわれています。そして気分障害には、「うつ病」と「双極性障害」が影響しているとされています。

(1) うつ病とはなにか

うつ病は、「抑うつ症」ともいわれます。気分が落ち込んだり、物事に対する興味や喜びの感情が消えている状態が長く続いているときは、うつ病の可能性があるとされています。気分の変化だけではなく、食欲の減退や増進、不眠や睡眠過多、疲れやすい、集中力が低下する、自殺への思いが強くなるといったことが、症状としてあらわれるのが特徴です。

(2)双極性障害とはなにか

双極性障害は、気分が高揚してハイになったり、いらいらしたりするとされています。そのほかにも、睡眠不足が続く、喋り続ける、注意が散漫になる、急に活動的になる、無駄遣いをする、失敗することがわかっているようなことをするなどの症状がみられるといわれています。

(3)気分障害かどうかの診断

気分障害かどうかを、専門家ではない人間が安易に判断することはとても危険です。必ず、専門の病院を受診するようにしましょう。

 

そこで体調の変化をチェックするリストを用意しました。当てはまったら必ずしも気分障害だというわけではありませんが、当てはまる数が多いほど、専門の病院を受診することをおすすめします。

 

  1. 寝ようと思って寝られず、睡眠不足の状態が続いたり、反対に目覚ましが鳴っても気づかないほど眠り続けてしまう。
  2. だるさといった倦怠感がある。
  3. 食欲がない。
  4. 頭痛が続く。
  5. 便意や下痢が続く。
  6. 体重が急激に減った。
  7. 性欲やセックスに対する興味が急になくなった。

3:気分が落ち込んでしまう原因3つ

いわゆる気分障害以外で気分が落ち込んでしまう原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。

(1)体調が悪い

人の感情というのは、体調や生理的な変化に影響されることが多いです。恋愛でも、緊張や恐怖で心拍数が上がっているような生理的なドキドキを、恋愛感情として錯覚する「吊り橋理論」と呼ばれるものがあるくらいです。イヤなことがあったり、何か失敗したりといったはっきりとした原因がなくて気分が落ち込んでいるときは、体調が悪い可能性も考えられます。

(2)季節の変化

そして、体調というものは季節の変化を受けやすいです。例えば、春や夏よりも、秋や冬のほうが、なぜかテンションが上がらないとか、気分が落ち込むという経験をしたことはありませんか。これは、急に寒くなったり、日中の明るい時間が減ってしまうことで、体調がすぐれなくなってしまい、気分が落ち込んでしまうのです。

(3)物事に対する考え方がネガティブ

例えばイヤなことや、何か失敗したりすることが続くと、物事に対する考え方がネガティブになりますよね。そうすると、些細なことでも気になってしまい、気分が落ち込んでしまいます。よく、悪いことが続くとお祓いに行くという人がいますが、気持ちを切り替えたり、ネガティブな思考に一区切りつけるという意味では、いい方法かもしれませんね。

4:気分が落ち込むときの対処法2つ

(1)無理をしない

気分が落ち込んでいるとき、無理をするのはやめましょう。仕事などもあるかもしれませんが、無理をせず休養をとって、気分をリフレッシュさせることを最優先にときには、仕事のことは一旦忘れてしっかり休暇を取り、旅行に出かけるのもいいかもしれません。

(2)誰かと共有する

気持ちが落ち込んでいることを人に話すのは、なかなか難しいものです。ですが、自分が今悩んでいたり、不安に感じていたり、気分が落ち込んでいることを、友達や家族に話すことも大事です。本当は、専門のカウンセラーやセラピストと話すのがいいのですが、敷居が高いと感じる人もいるでしょう。そんなときは、友達に愚痴を話す感じでもいいので、誰かに話してみるようにしましょう。

5:まとめ

誰にだって、気分が落ち込むことはあります。自分だけと思い悩まず、「みんなそうなんだから」と、できるだけ悩まないようにしましょう。もちろん、専門家への相談も考慮に入れてくださいね。