誰しも「これは絶対に譲れない」というものがあるでしょう。。ですが、それがいきすぎると「執着している」とか「こだわりが強い」と言われたりします。当事者だけなら良いのですが、他人にまで強いてくると、ちょっと困ったことになります。はたして、こだわりが強いことは長所なのか、それとも短所なのか……。一緒に考えてみましょう。

 

 

1:こだわりが強いのは長所?「こだわりが強い」を英語で言うと…

そもそも、「こだわり」とはいったいなんなのでしょうか。まずは、こだわりの意味から考えていきましょう。

(1)こだわりとは?

こだわり〔こだはり〕

1 こだわること。拘泥 (こうでい) 。

2 文句を言うこと。難癖。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

今回のテーマでは、「2」の「なんくせをつけること」は、ちょっと違います。今回の場合、「1」の「こだわること」ですね。もう少しわかりやすくするために、「こだわる」という言葉の意味もみてみましょう。

こだわ・る〔こだはる〕

1 ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥 (こうでい) する。

2 物事に妥協せず、とことん追求する。「素材に―・った逸品」

3 つかえたりひっかかったりする。

4 難癖をつける。けちをつける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

どうやら、「こだわる」というのは、ひとつのことに集中してしまって、他のことを考えることができなくなるということのようです。ちなみに、「拘泥」とは、「こだわること、必要以上に気にすること」という意味です。

 

こだわること自体、決して悪いことではありません。ですが、他のことを考えることができなくなってしまうので、せっかくのチャンスや効率的な解決法を見逃してしまうということがあります。

 

例えば、せっかくめずらしい味のラーメンを出す店に行ったのに、「いや、ボクは味噌ラーメンしか食べないから」とこだわりを出してしまうと、新しいラーメンの味に出合う機会を逃してしまいますよね。

 

仕事でも、せっかく「こうしたほうが良いよ」とアドバイスがあったのに、「いやいや、ボクはこのやり方が好きだから」とこだわってしまうと、仕事の進捗が遅れたり、品質が向上しないということもあるでしょう。

 

その意味では、こだわりが強いことは短所であると言えるかもしれません。

(2)こだわりを英語でいうと?

ちなみに、このこだわりという言葉、英語では「particular」という単語が使われるようです。「She’s very particular about the wine.(彼女は、ワインにこだわりを持っている)」というように使います。

 

また、会話表現的には「picky」という言葉を使って、「She’s picky about the wine」といったりするようです。

 

ただ、「Particular」がどちらかというとポジティブな意味合いであるのに対して、「picky」はネガティブなニュアンスがあると、筆者の知り合いの英語の先生が言っていました。

2:こだわりが強い人は扱いにくい?こだわりが強い男女の共通点3つ

さて、こだわりが強い人には、どんな特徴があるのでしょうか。残念ながら、いろいろ研究論文を探してみたのですが、見つかりませんでした。

 

そのため、学術的にどんな特徴があるのか、また男女でその特徴に違いがあるのかはわかりません。ただ、おそらく一般的に考えて、こだわりの強さに男女差はないといえるでしょう。

 

そこで、一般的な視点からこだわりが強い人に共通する特徴について考えてみたいと思います。

(1)頑固

こだわりが強いことと、ほぼ同じ意味合いなのが、頑固です。頑固とは「頑なで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしない」こと。まさに、こだわりが強いことを意味します。そのため、他人がいくらよかれと思って助言をしても、こだわりが強い人は、それを受け入れようとはしません。

(2)マイペース

こだわりが強い人は、自分が納得するまでとことん追及します。例えば、仕事のやり方。周囲が、「そのへんで切り上げないと納期に間に合わない」といっても、自分が納得するまでやろうとします。よくいえばマイペースなのですが、悪くいえば協調性がないということになるでしょう。

(3)一途なところもある

ひとつのことにこだわるタイプというのは、浮気をしないということでもあります。でも、この場合の浮気というのは、恋愛のことではなく、例えば「ラーメンなら味噌ラーメンしか食べない」というような一途さです。マーケティング用語でいう「ロイヤリティ(=ブランドへの忠誠心)」ですね。

3:こだわりが強すぎる子どもは要注意?こだわりが強い子どもに考えられること

冒頭でこだわりは誰にだってあるといいましたが、いきすぎたこだわりは、何か別のことが影響している場合があります。

(1)自閉症スペクトラム障害の可能性

「自閉症スペクトラム障害」というは、いわゆる発達障害のひとつなのですが、その症状のひとつに「行動パターンが変わることに対して、頑なに抵抗する」「毎日同じ食べ物を食べたり、同じ服を着たりすることにこだわる」というのがあります。まさに、こだわりが強いということです。

 

自閉症スペクトラム障害の原因は詳しくはわかっていません。現時点では、先天性(遺伝による)の脳機能障害と考えられています。先天性の脳機能障害なので、根本的な治療法はないとされていますが、乳幼児期の早期の療育で、良好な社会生活ができるようになるともいわれています。

(2)個性だと理解すること

もしあなたに子どもがいて、「ウチの子ども、人よりこだわりが強すぎるかも」と思ったら、専門家に診断をお願いしましょう。仮に、「自閉症スペクトラム障害」だと診断されても、大事なことは、それを障害(=病気)ととらえるのではなく、個性と受け止めることです。もちろん、専門家からは適切なアドバイスがあるでしょう。

ここでは誤解があってはいけないので、あえて深くは触れませんが、いちばんの問題は、周囲が自閉症スペクトラム障害を正しく理解せず、その子どもを受け入れないことにあるのです。

4:まとめ

こだわりが強すぎることは、ときに短所になるといいました。ですが、クリエイティブ系の仕事などをしている人だと、むしろ細部にまでこだわって仕上げるので、長所ともいえます。

 

こだわりが強いことは、決して悪いことばかりではないんです。