恋愛にはセックスがつきものいうイメージがあります。いえいえ、恋愛関係になくても、一夜限りの関係でセックスに至ることだってありますよね。恋人同士のセックスと恋人ではない相手とのセックスには、何か違いがあるのでしょうか。そもそも、セックスとは一体なんなのでしょうか。今回はセックスする意味について、考えていきましょう。

 

 

1:セックスをする意味って何?しないとダメなの?

セックスは生物の繁殖に必要で、神聖な行為という認識がある一方、どこか淫靡で、あまりオープンな話題ではないイメージがありますよね。

(1)セックスの意味

そもそも、セックスとは一体なんなのでしょうか。まずは辞書的な意味を確認しておきましょう。

セックス【sex】

[名](スル)

  1. 生物上の、男女・雌雄の別。性。
  2. 性の交わりを求める欲望。性愛。また、性交。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

先に書かれているところを見ると、辞書的には、生物上の性の違いという意味が大きいようです。そして、私たちが一般的に思っている性行為という意味よりも、セックスしたいという欲望や欲求という意味合いのほうが強いようですね。

 

日本でセックスという言葉が使われ出したのは、明治のころ。作家の坪内逍遙が『当世書生気質』という小説のなかでは、「人間のたのしみは、セックスばかりじゃ、ないじゃあないか」というように使われています。

(2)つきあったらセックスしないとダメ?

辞書的な意味でいえば、セックスは性の交わりを求める欲望、性愛があるかどうかなので、つきあうということと、セックスすることは別物です。

 

近ごろは一般的に認知されてきましたが、「LGBT」、つまりLesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、 Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)という、マイノリティのセクシャリティの総称があります。

 

最近ではそれを拡大して、「LGBTQIA」というように、Q(クエスチョニング、自分の性別がわからない、決まっていない人)、I(インターセックス、生まれつき男女両方の身体的特徴を持つ人)、A(アセクシュアル、誰に対しても恋愛感情や性的欲求を抱かない人)を加えて語ることも。このアセクシュアルであれば、人間として信頼してつきあうことはあっても、セックスはしない、ということもありえます。

 

つきあったらセックスしないとダメとは、まったくもって言い切れないんです。

2:愛し合う者同士がセックスする意味とは?

では、恋愛関係にある、付き合っている者同士がセックスをするというのは、どういう意味があるのでしょうか。

(1)繁殖としての行動

進化心理学的には、恋愛感情それ自体が、繁殖を促進させるためにあると考えます。人間も動物である以上、繁殖(=セックス)しないと絶滅してしまいます。その意味において、繁殖を促進させるために恋愛感情(=誰かを愛する、愛した人の子どもが欲しいと思う、愛した人とセックスがしたい)が生まれたと考えられています。

(2)恋愛の熱情

今から50年ほど前の恋愛に関する心理学的研究以降、恋愛感情とは一体なんなのかということが盛んに議論されてきました。

 

多くの研究に共通する恋愛要素のひとつに、熱情というものがあります。簡単にいえば、相手を激しく求める感情です。相手を激しく求めるということは、精神的な部分だけではなく、身体的な部分も含まれるとされています。つまり、愛し合う者同士がセックスするのは、恋愛の情熱によるもの。そのくらい好きという意味もあるでしょう。

3:セックスする意味がわからない…カップルがセックスレスになる心理

ですが、世間を見渡すと、セックスをしない(セックスレス)な恋人同士もいるわけです。そういうカップルには、いったいどんな心理的な背景があるのでしょうか。

(1)恋愛が進展している

恋愛とはさまざまな感情によって構成されていて、そしてそれぞれの感情は、恋愛関係の進展によって、占める割合が変わってくることが心理学では知られています。

 

例えば、熱情の要素は、恋愛初期においては強いものの、恋愛関係が進展するつれて弱まり、友愛の感情が強くなるといわれています。

 

付き合いたてのころは、セックスがしたくてたまらなくても、関係が長くなるにつれて、相手を愛おしいという感情は変わらないものの、セックスをしなくても平気になりますよね。例えるならば、沸騰しているお湯の状態が恋愛初期の段階で、保温されているお湯が恋愛関係が長期におよんでいる状態です。

 

決して気持ちが冷めているわけではなく、むしろいい関係に発展しているんです。

(2)気持ちが冷めてしまっている

恋愛がいい意味で進展し、セックスをしなくてもいい関係になっていることもあれば、単純に他の相手に興味が移り、パートナーとのセックスに興味がなくなっているということも考えられます。

 

特に男子の場合は、性的な刺激に慣れてしまって、エッチな雑誌や動画をネタに、ひとりで盛んにしちゃうものの、恋人には“勃たない”ということもしばしば起こります。また、同じ相手と同じセックスをするのに飽きるということも多いでしょう。

4:歳を重ねても毎日セックスする夫婦は何が違う?

その一方で、どんなに関係がなくても、また年齢を重ねてもパートナーとのセックスへの興味が薄れないというカップルだっています。そんなカップルは、レスなカップルと一体何が違うのでしょうか。

(1)セックスを楽しんでいる

例えば、セックスをエンターテイメントとして楽しむすべを知っていて、常に新鮮な刺激が得られるように、セックスする場所やシチュエーションを変えていたりするケースは多いです。この言葉が適切かどうかはわかりませんが、セックス上手なんでしょう。

(2)セックスを大事にしている

セックスが楽しいとか気持ちいいとかいう以前に、セックスを夫婦のもっとも重要なスキンシップと捉えている場合もあります。セックスを大切にする夫婦はいつまでも仲良くできるというのは確かにそうで、それを実行しているというわけです。

 

よく、夫婦仲良しの秘訣は、ケンカしても夜は必ず一緒に寝る、なんていう夫婦がいますけど、あれは、ただ並んで寝ているだけじゃないと思いますよ。

5:まとめ

恋愛にはセックスが必要不可欠だと考えると、プレッシャーに感じる人もいると思います。しなくてもいいものですし、楽しめるカップルは楽しめばいい。それだけのことなんです。