「LGBT」という言葉は、ここ最近になって一般的に知られるようになってきた。あらためていうまでもなくLGBTとは、Lesbian(レズビアン)・Gay(ゲイ)・Bisexual(バイセクシャル)・Trance gender(トランスジェンダー)の頭文字をとった言葉だ。

 

同性に性的魅力を感じる女性(レズビアン)・同性に性的魅力を感じる男性(ゲイ)・同性と異性の両方に性的魅力を感じる人(バイセクシャル)という性的指向と、自分の性別や表現する性別のイメージが生理学的な性に一致しない人(トランスジェンダー)のあり方を表すために用いられている言葉である。

 

近年では、自分の性別や表現する性別のイメージが生理学的な性に一致しているかどうかわからないというQuestioning(クエスチョニング) / Queer(クイア)をつけ加えて、「LGBTQ」という言葉が用いられることがある。

 

もっと広いのは、生まれながらに男性と女性の生理学的な性質をもって生まれるIntersex(インターセックス)、他人に対して恋愛感情や性的な欲求を持たないAsexuality(アセクシャリティ)を含めて、「LGBTQIA」という言葉が使われることもある。LGBTQIAという言葉の存在は、つまりそれだけ性的指向や性自認など、性にまつわるカテゴリーが多様であることを意味している。

 

そのため、SOGI(性的指向及び性自認:Sexual Orientation and Gender Identity)という表現が使用されはじめているが(「LGBTについての基礎知識」『自由と正義』2016年)、それもまた性的指向または性自認に限定される言葉である印象をぬぐえない。