オトコによって自分のキャラを変えるのってイタいですよね。

 

 

ですが、女友達とオトコの前で態度がころっと変わったり、極端にかわい子ぶったりというのも、結構イタいですよね。

 

そんな、オトコの前でキャラが変わってしまうイタい女になってしまうのがなぜか、という秘密を心理学から紹介したいと思います。

 

好きな相手に良い印象を与えたい

仲良くなりたいなと思う人じゃないと、好きになりませんよね。

 

逆をいえば、人が恋愛関係になるためには、相手からよく思われることが必要だということです。

 

これは恋愛だけに限らず、友人や仕事との関係についても、良い印象の相手じゃないと仲良くなれず距離をもってしまいます。

 

同志社大学の久保真人教授によれば、私たちは初めて人と会うときに、ありのままの自分を相手に見せることはなく、都合の良い部分は見せ、都合の悪い部分は隠そうとするのです。 相手が抱く自分自身の印象をコントロールしようとすることを、心理学では“自己呈示”とよんでいるのですが、ここにイタイ女になってしまう秘密が隠されているのです。

 

どんなときに自分の印象をよくしたくなるのか

ウェイクフォレスト大学マーク・リアリー教授とウェスタンカロライナ大学ロビン・コワルスキー准教授の研究によれば、自己呈示への動機が高まるには、次の3つの要因があるとされています。

(1)目標達成

(2)目標の価値

(3)イメージのギャップ

 

目標達成とは、相手に与える印象がその後の関係にいかに影響するかということです。つまり、同じ学校や職場にいる人に対してよりも、合コンなどで知り合った人の方が、自分に関する情報を相手がもっていないため、自分の印象が操作しやすく、そしてその効果も大きくなるのです。

 

目標の価値とは、出会いという場面を考えた場合、相手に魅力を感じれば、次も会ってみたい、仲良くなりたいと思います。つまり、仲良くなりたいなと思えば思うほど、自分の印象をよくしようと自己呈示への動機が高まるんです。

 

イメージのギャップとは、自分が好意をもった相手には、相手からも自分を良い印象で見てもらいたいと思いますが、現実には相手が自分の思い通りの印象をもってくれるとは限りません。そこで、相手に伝えたいという印象を強調したり、反対にあまりよくない印象を隠そうと自己呈示への動機が高まるのです。

 

いかがでしたか?

 

オトコの前でキャラが変わってしまうイタい女になってしまうのは、相手と良い関係を築きたい、そのために自分の印象をコントロールしたいという心理が根底にあったのです。

 

ですが、ここで疑問が。

 

相手に良い印象をもってもらいたいという気持ちは理解できますが、では良い印象とはいったい何なのでしょうか。

 

相手が望む自分を見せる

どんな自己呈示を行うかは、まず自分が自分をどんな人間かと考えていることが大切になってきます。つまり、自分が明るい人間だととらえていれば、人前で明るく振る舞います。

 

ですが、相手に良い印象を与えるためには相手の好み、つまり相手が考える魅力についてわかっていなければいけません。というのも、自分が自分を明るい人間だととらえ、明るいことは良いことだと思っていれば、少し騒がしいくらい明るく振る舞うかもしれません。

 

でも、相手がおとなしい方が落ち着いていて素敵だと考えていれば、控えめに振る舞った方が相手には良い印象が与えられるわけです。

 

そのため、プリンストン大学のマーク・ザンナ教授らの研究では、あらかじめ魅力的な男性と会うことが予測された場面において、女性は男性のもつ女性のイメージに合うような、態度や行動をしてしまうことが明らかになっています。

 

つまり、知らず知らずのうちに自分が良いなと思う男性の好みに、自分を合わせてしまうのです。

 

たとえば、女友達の前では大食いだったり、たばこを吸ったり、という人でも男性の前になると小食になったり、たばこを吸わなかったりするというのも、相手の男性や男性一般がもっているだろう魅力的な女性を演じてしまっているからなんです。

 

悪くいえば、オトコによく思われようと自分をコロコロ変えるのが“イタい女”といえます。ですが、心理学的に考えれば、相手との人間関係をよくしたいと気持ちからあらわれた行動なんですね。

 

そのために、相手がいったい何を考えているかをじっくり観察して行動や態度を操作しているわけなので、ある意味で“イタい女=賢い女”ともいえるかもしれません。

 

 

【参考】

※ 久保真人(1998)『自己評価と自己呈示スタイルとの関係』社会心理学研究

※ Leary and Kowalski(1990) 『Impression management: A literature review and two-component model』Psychological Bulletin