誰かや何かに対して、嫉妬を感じるという人は少なくありません。その嫉妬という感情は、英語で「ジェラシー」とも「エンヴィー」とも表現できます。では、そのふたつの言葉の違いについて、ご存じでしょうか。今回はそんなジェラシーとエンヴィーの意味の違いや、ジェラシーを感じる理由、またまったく感じないという人についても見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

1:ジェラシーの意味は?どうしてジェラシーを感じるの?

(1)ジェラシー(JEALOUSY)の正確な意味は?

嫉妬のことを英語で「ジェラシー(JEALOUSY)」って言いますよね。その意味はというと、ケンブリッジ大学出版局の『Cambridge Dictionary』には、次のように意味がでてきます。

 

upset and angry because someone that you love seems interested in another person

not happy because you want something that someone else has:

(出典:Cambridge Dictionary/ケンブリッジ大学出版局)

 

つまりは「自分の好きな人が他の誰かに興味を持っていることで動揺したり、怒ったりという感情」もしくは「自分が欲しいものを誰かが持っていることで不幸な気持ちになったり怒ったりという感情」がジェラシーというわけです。

 

どちらにも共通していることは、「自分の欲しいものが手に入らないことで不快な気持ちになること」です。

(2)日本語の「嫉妬」と意味は同じ?

日本語で嫉妬という場合、その意味を調べてみると、

 

1 自分よりすぐれている人をうらやみねたむこと。

2 自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと。

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

 

とあります。

 

自分より優れている人とは、自分よりも才能があったり、お金を持っていたりと、自分が持っていないものを持っているからこそ、優れていると認識するわけです。ですから、英語のジェラシーと意味は同じということになります。

(3)嫉妬の背景にあるもの

では、なぜ人は自分が持っていないものを持っている人に嫉妬を感じるのでしょうか? その背景には、「コンプレックス(劣等感)」があるかもしれません。

 

コンプレックスとは、自分が他人より劣っているという感情です。アドラー心理学では、人はコンプレックスを持っているからこそ、それを克服しようと努力し、向上し続けるなんて言ったりします。

 

ですが、克服できるようなコンプレックスならまだしも、どんなに努力しても克服できないようなコンプレックスもありますよね。そうなると、努力することをやめて、相手を妬んだりしてしまうことにつながるのです。

 

2:ジェラシーとエンヴィーの意味の違いと心理的使い分け

(1)エンヴィー(ENVY)の意味は?

ところで、ジェラシーに似たような言葉に「エンヴィー(ENVY)」というのがあります。その意味を調べてみると下記の通りです。

 

the feeling of wanting something that someone else has:

(出典:Cambridge Dictionary/ケンブリッジ大学出版局)

 

つまり、誰かが持っているものを私も欲しいと思う「羨望(せんぼう)」の意味です。

 

羨望とは「うらやむ」という意味。こちらは、あくまでもうらやましいと感じるだけで、妬んだりするマイナスな感情はともなわないということになります。とはいえ、日常的には同じように使ってしまうことが多く、ほぼ同じ意味合いでとらえてしまっているかもしれません。

(2)ジェラシーとエンヴィーの違いは?

ジェラシーとエンヴィーの違いについては、注目している研究者が数多く存在します。その違いとしては、諸説あるのですが、よく言われていることのひとつをご紹介します。

 

先ほど、ジェラシーの意味のところで「自分の好きな人が他の誰かに興味を持っていることで動揺したり、怒ったりという感情」と先述しましたが、対象が愛である場合がジェラシーであり、それ以外のものである場合がエンヴィーと考えらることもあるようです。

3:ジェラシーを感じない!嫉妬する意味がわからないという人の心理

そんなジェラシーですが、世の中にはジェラシーをまったく感じない、その意味がわからないという人も少なくありません。どうしてジェラシーを感じないのでしょうか。その理由を見ていきましょう。

(1)コンプレックスを感じないから

理由のひとつとして、何に対してもコンプレックスを感じていないことが考えられます。

 

先述したとおり、ジェラシーの背景にあるのはコンプレックスです。何かを持っていないことに対してコンプレックスを持っていれば、それを手に入れようと考え、妬んだり、努力しようとします。ですが、そもそものコンプレックスを持っていなければ、そんな感情が湧き起こらないですよね。

(2)欲しいと思っていない

他人が持っているものを自分も欲しいと思っていなかったら、羨ましいと感じませんよね。自分も彼氏が欲しいと思っているからこそ、彼氏がいる友達のことを羨ましいと思うわけです。

 

ということは、ジェラシーを感じないということは、それが本当に欲しいものではないということが言えるでしょう。

 

4:まとめ

一般的には、ジェラシーであろうがエンヴィーであろうが、そのような感情を持つことは、あまり好ましいこととは考えられていません。

 

もちろん、それを克服しようと努力する燃料になることもあるので、悪いことではないのかもしれません。ですが、嫉妬に駆られる姿はあまりスマートとは言えません。表立ってジェラシーやエンヴィーの感情を出さないほうがいいかもしれませんね。