他人が自分より恵まれていたり、優れていることに対して、羨み、妬むことを「嫉妬」とよびます。イメージとしては、女性の方が嫉妬深いイメージがありますよね。しかし、嫉妬は、男女に共通して存在する感情です。今回は、嫉妬する男性心理に迫ります。

1:男の嫉妬って…怖い!

嫉妬をするのは、男性も女性も同じです。

 

特に男性は、女性に比べて支配欲が強いといわれています。つまり、男性は女性よりも、「物事を自分の手の届くところに置いておきたい」という欲求が強いわけです。

これは、ある意味で、所有欲の強さと言い換えることができるかもしれません。自分の手に入らず、誰かがそれを手に入れたら、当然ながら嫉妬するわけです。

 

ほかにも、一般的に男性は出世欲が強いともいわれますよね。会社などで、係長や課長といった役職の人は、そのポジションの数がたくさんあるため、さほど問題になりません。ですが、部長、取締役と、地位が上がるにつれて、その地位に就ける人は、数が限られていきます。

 

出世欲というのも、言わば「その地位を手に入れたい」という所有欲と同じです。そのため、その地位に就くことができなければ、その地位に就いている人や、先にその地位に就いた人に対して、嫉妬の感情が起こります。

 

また、嫉妬は恋愛においても起こります。たとえば、浮気された場合の浮気相手や不倫相手もしくは配偶者に対して。これも、男女共通です。

 

ただ、恋愛における嫉妬の場合、一般的に男性は性的なことに対して嫉妬し、女性は精神的なことに対して嫉妬するといわれます。

2:付き合ってないのに嫉妬する男性心理

さて、性的なことに対して嫉妬するにしても、精神的なことに対して嫉妬するにしても、その前提には、「自分と相手が交際関係があること」が前提になります。

 

ですが、中には付き合っていないのに嫉妬するような男性がいます。これは、進化心理学的に説明できるかも知れません。

(1)嫉妬と繁殖

人間も動物です。動物である以上、繁殖(=セックス)をしないと絶滅してしまいます。そのため、セックスをすることが楽しいとか、気持ちいいとか、セックスを積極的にさせるような感情が生まれたとされています。

 

楽しかったり気持ちよかったりすると、みんなセックスをするようになるでしょう。そして、妊娠する機会も増えることは確かです。

 

ですが、妊娠をしても、ただセックスをすることが楽しいとか、気持ちいいだけだと、せっかく妊娠しても、その子供を産まなかったり、大人になるように育てることはありません。

 

そこで、生まれたのが恋愛感情という心理です。誰かを好きになり、好きな人だからセックスをしたいと思うようになり、好きな人の子供だから産みたいし、育てたいと思うわけです。

 

しかし、ここで問題になるのが、男女の繁殖機能の違いです。毎日のようにセックスできるのは男女共通ですが、女性は実際に自分が妊娠し、出産をします。卵子の数も、自分の一生の中で決まっていますし、出産適齢期や閉経という言葉があるように、自分が実際に生み育てることができる子供の数は、おおむね決まっています。

(2)女性が精神的なことに嫉妬する理由

そのため、自分が「この人だ」と決めた(=付き合った)あとでないと、セックスに対して積極的になることは少ないですし、本能的に自分と子供を守ってくれる男性の存在を必要とします。ここに、女性が精神的なことに対して嫉妬するという理由があります。

 

つまり、自分をいちばん大事に考えてくれないと、自分を捨て、守ってくれなくなります。そのため、男性が風俗に行くようなことは許容できても、心が誰か別の女性のところに行くのは許せないのです。

(3)男性が性的なことに嫉妬する理由

男性の場合、自分が実際に妊娠・出産するわけではありません。そのため、自分のパートナーが産み育ててくれる子が、自分の子供である保証はありません。唯一の解決手段は、自分のパートナーにほかの男性とセックスをさせないことです。

 

そのため、男性は女性がほかの男性とセックスをすることに対して、嫉妬するわけです。ただ、その一方で、確実に自分の子供を次の世代に残すために、男性は本能的に数多くの女性と繁殖しようとします。

(4)付き合ってないのに嫉妬する男性

つまり、男性自身は自分が繁殖したい(=セックスしたい・付き合いたい)と思っている女性が、少しでもほかの男性と繁殖する機会があることに嫉妬をするんです。

 

ここに、「付き合っていないのに嫉妬する」男性の心理の秘密があります。もちろん、自分が手に入れたいと思っている女性が、未だに自分の所有になっていないことに対するいらだちが、嫉妬につながっているともいえます。

3:恋愛中の男が嫉妬でとる態度・行動

では、ここで「恋愛と男性の嫉妬」を詳しく見てみましょう。恋愛中の男性が、嫉妬でとる態度や行動です。

(1)不機嫌さがでてくる

たとえば、男性は支配欲が強く、それが嫉妬の原因だと指摘しました。相手が自分の思い通りにならないことは、支配欲が満たされないことを意味します。つまり、嫉妬の感情が起こるということ。男性が、急に不機嫌になるのは、自分の思い通りになっていない証拠です。

(2)電話やLINEが増え、何をしているのかの確認が増える

普段は、電話やLINEをほとんどしてこないのに、突然LINEのメッセージの数が増えたり、何をしているのかの確認が増えることがあります。これも、典型的な嫉妬です。ほかの男性と一緒にいるんじゃないかといった不安が増すことで、相手の行動を確認し、把握したがるわけです。

(3)自分のすごさをアピールする

自分に自信があり、「パートナーが自分以外の男性を好きになったりすることがない」という安心があれば、強いて自分のすごさをアピールする必要はありません。

ですが、わざと自分のすごさをアピールするときは、自分のパートナーを失いそうで不安な気持ちが強く、嫉妬している証拠。たとえば、会社で「オレの方が仕事ができるのに、あいつの方が出世が早くて……」なんて、自分のすごさをアピールする男性は、嫉妬しているといえます。

4.かまって欲しいアピール

かまって欲しいとばかりに甘えてくる男性がいます。これは、母性本能をくすぐろうという作戦の場合もあります。しかし、自分のパートナーを失いそうだという不安があることが理由であるケースが多く、これも嫉妬している証拠です。

5.モテるアピール

わざと、ヤキモチを焼かそうと、モテることをアピールする男性がいます。これは、モテることをアピールすることで、パートナーの関心を自分に向けようとしている行為。子供っぽい方法ですが、パートナーを失いそうな不安からくる嫉妬の証拠です。

4:仕事で男の嫉妬を防ぐ方法5……出来る女は要注意!

恋愛以外にも男性に嫉妬をされる場合があります。たとえば、仕事。どうすれば、仕事での男性の嫉妬を防ぐことができるのでしょうか。

(1)もちあげる

支配欲求の強い男性ほど仕事で嫉妬をするわけです。先にあげたように、「オレの方が仕事ができるのに、あいつの方が出世が早くて……」なんて言っている男性は、もちあげるのがいちばんです。もちあげて、その男性の自尊心を高めてあげれば、嫉妬を防げます。

 

支配欲求だけではなく、男性は養護欲求という、相手を守ってあげたいという欲求も強いといわれています。上手くおだてて、「先輩、この仕事のしかた、教えてください」とか「仕事、助けてください」と甘えて、わざと手伝わせるのが得策です。

(2)無視する

支配欲求の強い男性は、自分を認めて欲しいわけです。ですが、どんなに頑張っても、認められない男性だっていますよね。そんな場合は、もう無視を決め込むしかありません。いちいちフォローしていてもきりありませんし、フォローにも限界があります。無視をしていたら、そのうち諦めるようになるでしょう。

(3)マウンティングする

マウンティングするというと、言葉の響きが良くないかも知れません。ですが、男性の仕事に関する嫉妬を解決するには、嫉妬していても乗り越えられないくらい力の差があるんだと、男性にわからせることも必要です。

 

ただ、中には、自分の力のなさを受け入れることができず、「女性だから認められたんだ」とか、男女の性差をもちだしてくる男性も少なからずいます。そういう場合は、無視をするしかありません。

(4)フォローしてあげる

実力がないことを棚に上げて嫉妬する男性もいますが、仕事の場合では、「アピール下手で評価されない」という人も少なからずいます。また、実力はないものの、サボっているわけでなく、一生懸命取り組んでいるという人もいます。

 

いわば、そういう報われない男性には、評価する立場にある人に対して、頑張っていることを伝えるというフォローをしてあげてはどうでしょうか?

 

ただし、間違っても自分が評価してはいけません。自分が評価すると、「生意気だ」と思われたり、新たな嫉妬を生み出す可能性があります。

(5)ライバルにならない

仕事で嫉妬をするのは、相手が自分のライバルだと考えているからです。そのため、先ほど書いた通り、ライバルになり得ないんだと、力の差を見せつけマウンティングするのもひとつの方法です。

 

あるいは、ライバルではなく「味方なんだ」と思わせるのも、ひとつの手です。チームで仕事をする場合などは、あくまでチームの成果としてアピールすればいいかも知れません。

 

できる上司なら、そのチームの中で、誰の貢献がいちばん大きいか、アピールしなくてもわかってくれるものです。

5:まとめ

いかがでしょうか? 嫉妬の感情をもっても、いいことなんてありません。誰だって、そんなことはわかっているんです。わかっていながらも、嫉妬をしてしまうのが、人間の性かも知れません。

 

ですので、嫉妬されても恨まず、なぜ嫉妬しているのかを理解してあげて、その原因を取り除いてあげれば、人間関係を上手く維持していくことができると思います。なかなか簡単なことではありませんが、頑張ってみてくださいね。