世の中には、「女の子にわがままを言われて甘えられるのが好き」という男性がいます。その一方で、「彼女にわがままを言って甘えたい」という男性もいます。

 

人それぞれ……という気もするのですが、はたして心理学的には、わがままを“聞いてもらう”のと、“聞いてあげる”のでは、どちらが幸せなのでしょうか?

 

彼はどっちが好き? 男性の特徴から考えると……

正直なところ、「わがままを聞いてもらうのと、聞いてあげるのでは、どちらがいいか」という問いに対する明確な答えを心理学的に考えると、ちょっと悩んでしまいます。そこで、いくつかの視点から一緒に考えてみましょう。

 

まずは、男性の特徴から。男性は女性にくらべて養護欲求(誰かを守ってあげたい)と支配欲求(誰かを自分の思い通りにしたい)が強いと言われています。

 

欲求とは、人が行動する際の理由です。たとえば、飲み物を飲むという行動には、「のどが渇いてなにかを飲みたい」という欲求が存在します。そして、その欲求が満たされるまで、人はなんらかの行動を取るのです。そう考えると、男性の養護欲求と支配欲求を満たすために、“素直に彼にわがままを言って甘えたほうがいい”というふうに考えることができます。

 

ですがその一方で、外の世界で頼りがいがある、頼もしいといった男らしさを期待され、その期待に応えようと振る舞っている男性達のなかには、彼女に甘えて、そのカタルシスを得たいと思っている男性も少なくないんです。そういう男性に対しては、わがままを聞いてあげて甘えさせてあげたほうがいいかもしれません。

実は……大事なのは公平さ

つまり、男性にはわがままを言って甘えたほうがいいのか、それともわがままを聞いてあげて甘えさせてあげたほうがいいのかの、二者択一で答えを出すことはとても難しいのです。

 

しかしこれは、人それぞれで終わらせられるお話ではありません。実は……大事なのはお互いにわがままを言って甘えられる関係なんです。

 

これは、恋愛における公平理論という考え方で説明できます。わかりやすく言うと、こういうことです。たとえば今でも、掃除や洗濯、料理といった家事は夫婦の間では女性の仕事だと思われがちですが、もし女性も仕事をしているのに夫がなにも手伝ってくれなかったら「私だって仕事をしているのにずるい」と感じてしまいますよね。

つまりそれは、公平ではないからです。お互いに家事を分担していて公平な関係であれば、不満は出てきませんよね。

 

わがままも一緒。女性だからわがままを言っていいわけではありませんし、彼の言うことをすべて聞いてあげる必要もありません。男性も女性も、恋人や夫婦というパートナー関係においては、お互いにわがままを言って、聞いてもらうことが大事なんです。

 

恋愛においては、なにごとも公平さ、お互い様ということを忘れないことがふたりの関係をよくする、一番の秘訣なんですね。