子どもは天からの授かりものとは、よくいいますが、それでもやっぱり“妊活”をして、積極的に子どもをもとうというひとは少なくありません。

その一方で、なかには妊娠・出産によって、体形が崩れるのが嫌だからと、子どもを授からないように避妊をしているというひともいるでしょう。

どちらがよくて、どちらが悪いなんていえません。

ですが、体形が崩れるのが嫌だからと妊娠を望んでいないとしたら、じつはそれは間違っているんです。

というのも、カナダ・サイモンフレーザー大学のCindy  Barha氏らの研究によれば、妊娠・出産した子ども数が多ければ多いほど、いつまでも若々しくいられるというんです。

つまり、子作りはアンチエイジングに効果的で、体形が崩れることも防ぐことが可能だということ。

いったい、どういう事なのでしょうか。

学術誌『PLOS ONE』に掲載された研究をもとに、詳しく紹介します。

 

■出産と老化の関係

研究では、“老化の指標”ともいわれているテロメア(染色体の先端部)の長さと出産の関係が調べられました。

テロメアを調べれば、どれだけ細胞が老化しているかがわかるといわれています。

75名の女性を対象に、13年間の時間を空けて、テロメアの変化を測定したんです。

その結果、13年間のあいだに子どもをたくさん産んだ女性ほど、テロメアが長いことがわかったんです。

つまり、妊娠・出産に比例して、細胞は若い状態だったんです。

 

■アンチエイジングに効果がある理由
なぜ、妊娠・出産に比例して、若さを維持できるのでしょうか。

理由の1つとして、女性ホルモンの影響があるんだとか。

妊娠中に、女性ホルモンのエストロゲンが上昇し、その副次的効果で老化が抑えられるというんです。

ということは、妊娠・出産がエストロゲンを上昇させる効果的な方法ではあるものの、日常生活のなかで、女性ホルモンを上昇させる機会を作り続ければ、いつまでも若々しくいられるのかもしれませんね。

 

いかがですか。

子どもを産むって、不思議な効果があったんですね。

 

【参考】

※ Cindy  Barhaら(2016)「Number of Children and Telomere Length in Women: A Prospective, Longitudinal Evaluation」(PLOS ONE)

 

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