あくびがうつる。これは、一般的にもよくいわれますよね。目の前で、誰かがあくびをしているのをみると、おもわず自分もあくびをしてしまった。そんな経験は、一度や二度はあるはず。

ですが、どうしてあくびはうつるのでしょうか。その理由には、じつは人間関係が隠されていたんです。いったいそれは、どういうことなのか。オンラインジャーナルの『PLOS ONE』に掲載された「Yawn Contagion and Empathy in Homo sapiens」をもとに、紹介します。

あくびの伝染には人間関係

研究をおこなったのは、イタリア・ピサ大学のIvan Norscia氏ら。あくびは、どんな動物でもしますが、うつるのはゲラダヒヒ、チンパンジー、ヒトという“高度”に進化動物のみ。

そこで、あくびがうつることを、関係性や感情に注目し、研究がおこなわれました。その結果、あくびが移るという現象には、関係性が重要であるということがわかったんです。わかりやすくいえば、ヒトの場合、人間関係によってあくびがうつる有無や頻度が異なることがわかったんです。

家族、友人、知人、他人

そして研究の結果、あくびは家族、友人、知人、他人の順番でうつりやすいことがわかりました。また、うつる速度は、友人、家族、恋人、他人の順に速くなることもわかったんです。つまり、関係性が親密であればあるほど、あくびはうつりやすく、その速度も速いということ。

まわりにいくら、あくびをしているひとがいても、それが赤の他人であれば、けっしてあくびはうつりません。ですが、もしそれが気になるひとだったら・・・・・・。あなたのあくびや彼のあくびが、うつる可能性があるんです。

まとめ

なぜ、動物があくびをするかについては、生理学や医学の分野から、理由が示されています。ですが、心理学的みれば、そこには人間関係の表示があるのかも知れません。あなたがあくびをしたときに、いったいだれにうつっているか。次にあくびをするときは、周囲に注目してくださいね。