ひとの心は、簡単にはわかりません。相手の心もですが、自分の心でもそう。

彼があなたのことをどうおもっているのか。あなた自身が、彼のことをどうおもっているのか。

そんな、心の本音をわかる方法があったら、いいですよね。

フィンランド・アールト大学のJuulia Suvilehto氏らの研究を参考にすれば、心の本音がみえてくるかもしません。いったいどういうことか。

『Proceedings of the National Academy of Sciences』に発表された論文から、紹介したいとおもいます。

 

■ボディタッチの許容

Juulia Suvilehto氏らは、ヨーロッパの複数の国々を対象に、身体接触(ボディタッチ)の許容と人間関係に関する調査をおこないました。

そして、それらを結果をもとに、関係ごとにおける身体接触の強度をマッピングしたんです。

上の図が、そのマッピングなのですが、自分が触られても平気だという部分が白でしめされ、触られたくないとおもう場所ほど、黄色から赤、そして黒へとしめされています。

そして、人間関係は、父、母、きょうだい、おじ、おば、いとこ、男友達、女友達、恋人、知らないひとなどに分類されています。

これをみると、恋人ほど触られても平気な場所(白)が多く、知らないひとほど触られたくない場所(赤や黒)が多いことがわかります。

比較的手や腕は、触られても平気な場所ですが、下半身などはダメなこともわかります。

 

■ボディタッチと関係性

つまり、親密な関係であるほどボディタッチの許容度が高いということ。それは、相手への好意であったり、信頼が存在しているからです。

よく、恋人のことが好きじゃなくなったら、触られるのも嫌になるっていいますよね。それを研究で証明したのが、Juulia Suvilehto氏らなんです。

これで、彼があなたに触れられてもどこまでなら嫌な顔をしないとか、あなたが彼に触られてもどこまでなら不快な気持ちにならないかで、無意識の関係性に気づくことができるかも知れないんです。

 

いかがですか。日本では、あまりボディタッチの習慣がありませんし、場合によってはセクハラにもなりかねませんので、実行するときは注意をしてくださいね。


【参考】

※ Juulia Suvilehtoら(2015)「Topography of social touching depends on emotional bonds between humans」(Proceedings of the National Academy of Sciences)