モラルハラスメント(モラハラ)とは、言葉や態度などによって相手の心を傷つける精神的暴力のこと。これも、ドメスティックバイオレンス(DV)の一つだとされています。そして、日本法規情報の「夫婦間のモラル・ハラスメントに関する意識調査」調査によれば、じつに5割の夫婦がモラハラを経験しているようです。

 

大好きで結婚したはずなのに、どうして相手を傷つけるようなことを言ってしまうのでしょうか。今回は、あなたにも他人事ではないモラハラの実態について、お届けします。

1.モラハラ体験者はおよそ5割も!

モラハラでは、被害者は加害者から「おまえが悪い」と日常的に責め続けられます。そう言われ続けることによって、被害者自身が罪悪感を覚え、いつも自分を責める状態が続くんです。そして、加害者に暴力を振るわれたとしても、加害者が暴力をふるったのは、自分が悪いからだと考えてしまうんです。

 

今回の調査で、結婚生活において相手の言動を自分の責任と思い込み、自分を責めたことがあるかについてたずねたところ、「なぜ、私は夫(もしくは妻)を怒らせてしまうのだろうと思ったことがある」と答えたひとは52%もいることがわかりました。モラルハラスメントを理解できず、どちらとも言えないと回答したひとも20%いることから、潜在的なモラハラ被害者は、もっといるかもしれません。

2.こんなことを経験したら要注意!

モラハラに当たる可能性がある行為に関しても、どのくらいの経験者がいるか調査が行われました。みなさんも以下に当てはまる場合は注意が必要です。

 

  1. 「外面」がよく「良い旦那さん(奥さん)ですね」と言われるが、家庭での態度がまったく違う・・・28%(経験者割合、以下同じ)
  2. 夫(もしくは妻)は自分の機嫌の良し悪しで態度が変わる・・・20%
  3. 夫(もしくは妻)は機嫌が悪い時には、話しかけても無視する・・・18%
  4. 夫(もしくは妻)は不規則な自分の生活のペースに合わせた行動を強いる・・・15%
  5. 夫(もしくは妻)は些細なことで怒鳴ったりする・・・11%
  6. 夫(もしくは妻)は自分が病気の時に対して冷淡な態度をとる・・・7%

モラハラの被害者は自分を被害者であるという認識がない一方で、モラハラの加害者も自分で加害者であるという認識がなく、常に自分の勝ちか負けかを考えているといいます。

3.被害を受けたら、どこに相談すればいいの?

内閣府の「男女間における暴力に関する調査」によると、このような配偶者からの暴力を受けながらも、「相談するほどのことではない」「自分にも悪いところがある」「自分さえ我慢すればいい」などと考えて、約4割の女性が誰にも相談していません。また、暴力を受けた女性の4割以上は、「こどもがいるから」「経済的な不安があるから」などの理由で、配偶者と別れたいと思いながらも別れなかったと答えています。

 

しかし、暴力は、いかなる理由であっても、どんな間柄であっても、許される行為ではありません。暴力を受けた被害者を加害者から守るために、地域には配偶者暴力相談支援センターや警察の相談窓口など、様々な相談・支援の窓口があります。暴力の被害から抜け出し、自分自身とこどもを守るためにも、まずは、そうした身近な窓口に相談してください。

DV相談ナビ #8008(はれれば)

配偶者からの暴力に悩んでいることを、どこに相談すればよいかわからないという人のために、全国共通の電話番号(#8008(はれれば))から相談機関を案内するDV相談ナビを実施。発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、直接ご相談できます。匿名でも相談できます。

DV相談+(プラス)0120-279-889

「DV相談ナビ」に加え、DVの被害に遭っている人への相談支援。全国どこからでも電話(フリーダイヤル)やSNSのチャット、メールで相談することができます。電話とメールでは24時間いつでも相談可能。また、10か国語程度の外国語による相談にも対応しているほか、相談の状況によってはWeb面談(https://soudanplus.jp/)も。

まとめ

もしあなたが、彼との関係で言葉や態度の暴力を受けていたら、誰かに相談してください。