帰って来た、真夏の夜の本当にあったコワスギルはなし2012
怖い度 2
ある田舎道の夜
車の通りも外灯もまばらな寂しい道
蛙や虫の声。そして、風が木の葉や草をゆする音だけが聞こえて来ます。
グヮッグヮッ・・・グワッグワッ・・・ジィ~・・・ジィ~・・・
ザワザワザワ・・・
空を見上げるても星は全く見えず、雲の隙間から小さな月が顔を出しています
うしろから何やら怪しいおと
ギィッ~ギィッ~ギィッ~ギィッ~・・・
その怪しい音は段々と迫って来ます。
パッとうしろを振り向くと自転車を運転した中年男性
ホッ
こんなに真っ暗闇でもライトを点けずに走行しています。
遠方では突然光る道路標識
乗用車のヘッドライトに照らされたようです。
真っ暗闇を少ない外灯を頼りに歩き続けると・・・
先の方から何やら怪しい“ひかり”がこちらに迫って来ます
明らかに自転車や車のライトではありません。
歩行者が持つ懐中電灯・・・
に、しては暗過ぎます。
その“ひかり”が音もなく近寄って来ます
目を凝らして“ひかり”の方を見つめる私
何やらぼんやりと人の顔の様な物が浮かんで見えます。
その“ひかり”が真横を通り過ぎたそのとき・・・
“ひかり”の中の顔と目が合ってしまいました。
呆然としている間に、その“ひかり”は消えていました。
正体不明の“ひかり”
きっとあの“ひかり”は携帯電話の灯りに顔だけが照らされた人間だったと自分で言い聞かせています。
暗い夜道を携帯電話を見ながら歩いている人の顔がぼんやりと光って見えることってありますよね。
しかし、足おとも聞こえず真っ暗闇でも“かお”以外見えない物なのでしょうか・・・