Lennon;
わかるようなわからないような意見ですね。治は何故そんなに愛に対して疑い深いのですか?この女が愛しいとか、好きだとか…そういう風にシンプルに感じたりすることはないですか?

治;
勿論あります。ただ何故ひとりの女だけに愛を感じるのか?本来そうあるべきか?という風に考えてしまうし、感じてしまうのです。

Lennon;
…。博愛主義ですか?私にはとても信じられませんね!というか、愛にも色々種類があるとしたら、博愛主義で全てを片付けようとすると気狂いになってしまいますよ!もっと素直になれないんですかねぇ???

治;
ジョンが心の中の母を亡くしたのと同じように、私も母を亡くしたんだと思います。だから、貴方の『ジョンの魂』と私の『人間失格』はコインの表と裏のように感じられるのです。つまり、『ジョンの魂』を裏返すと『人間失格』なのです。分かりにくい言い方ですかね???

Lennon;
いや、とても分かりやすいですね。ある意味、『人間失格』はイギリス的な叙情詩のようにも感じられます。治は『ジョンの魂』をどう感じますか?

治;
とても日本人的な歌のように感じます。いや、世界中の誰でもが自分の国の歌のように感じるのではないでしょうか?

Lennon;
それはとても興味深い意見です。それに何よりも嬉しい!私は京都によく行きます。ロンドンのいいところを集約した町のような気がします。教会の代わりにお寺がある!

治;
…。お寺ですか。イギリス人にはオリエンタルな宗教建築は新鮮なのでしょうね。内向的と言うか…。日本人は逆に西洋的なチャペルに憧れるのです。

Lennon;
なるほど…。いや、京都の街のお寺が全部教会だったとしたら、リトルロンドン、東洋のロンドンなのかもしれませんが、いや違うかな…。

治;
街の風景とそこに暮らす人々の眼差しは、少しずつ人を変えていきます。ジョンは京都の1200年の歴史を、その空気を肌で感じているのでしょうね。