Aは僕が心配だったんだろう。いい奴だ。そして、その期待に応えられるほど僕はいい奴じゃなかった。それが真実だった。僕はあと1ヶ月少しで27歳を迎えようとしていた。このままどこかの会社に就職しても大したことはないだろう。少なくとも世界を変えるような存在になれそうな気はしなかった。いや、ひょっとしたら…うまく生きていくことは難しいとさえ思えた。でも、うまく生きていく!って一体何???紺色のスーツを着てできる限り上司に逆らわず仕事をこなす。家では妻と子供を大切にし、世界の問題や混乱には、それなりの関心はあるが必要以上にこだわらない。金曜日には会社の同僚と飲み、土曜日は家族とゆっくり過ごす。日曜日には愛車で友達や会社仲間とゴルフやサッカーに行く。そんな生活に代わる価値あるものを僕は決して持っているわけじゃかった。いいじゃないの!本人が楽しければそれが一番いい生き方だと思う。でも、僕には関係ない。
僕の頭の中は曼荼羅のように混乱しきっていた。たくさんの思い出が僕を新たな地平に立たせようとしていた。そして、いくつもの愛が僕を社会復帰させようとしてくれていた。その事実に対して僕は…対応しようがなかった。
どんな優しい人間にも、自分と同化させてしまいたい!という欲望はある。いや、優しい人間ほど、その欲望は強いのかもしれない。僕は小さな頃からそんな優しさや愛が苦手だった。愛や神を信じる人間の弱さと強さが嫌いだった。そして、そんな自分の憎悪を歌うことで絶対化したかったのだ。
僕はそんなことを思いながら、ゆるゆると毎日をやり過ごしていた。村の将来を憂いながら、今の仕事を着々とこなすSさんやAをはじめとする暖かい人たちに囲まれながら、居場所を探すことに困っていた。僕はみんなのようにいい奴じゃないんだ…。
僕を苦しめた黒い鳥は、もう現れなくなっていた。いや、その頃、僕自身が黒い鳥だったのかもしれない。モノクロ映画の主人公を生きているような毎日。僕は一体何が不満なのだ?数年前にはまった東京のパンクバンド、Frictionの歌の一節を口ずさみながら、僕は車で南に向かった。
♪そこに座って何が望みだ…♪
僕の頭の中は曼荼羅のように混乱しきっていた。たくさんの思い出が僕を新たな地平に立たせようとしていた。そして、いくつもの愛が僕を社会復帰させようとしてくれていた。その事実に対して僕は…対応しようがなかった。
どんな優しい人間にも、自分と同化させてしまいたい!という欲望はある。いや、優しい人間ほど、その欲望は強いのかもしれない。僕は小さな頃からそんな優しさや愛が苦手だった。愛や神を信じる人間の弱さと強さが嫌いだった。そして、そんな自分の憎悪を歌うことで絶対化したかったのだ。
僕はそんなことを思いながら、ゆるゆると毎日をやり過ごしていた。村の将来を憂いながら、今の仕事を着々とこなすSさんやAをはじめとする暖かい人たちに囲まれながら、居場所を探すことに困っていた。僕はみんなのようにいい奴じゃないんだ…。
僕を苦しめた黒い鳥は、もう現れなくなっていた。いや、その頃、僕自身が黒い鳥だったのかもしれない。モノクロ映画の主人公を生きているような毎日。僕は一体何が不満なのだ?数年前にはまった東京のパンクバンド、Frictionの歌の一節を口ずさみながら、僕は車で南に向かった。
♪そこに座って何が望みだ…♪