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高田龍の《夢の途中》

気がついたら、72歳に成ってました。
今までずいぶんたくさんのことを書いて来ました。
あと何年生きられるのか判りませんが、書き続ける事が生存確認でも有りますし生存証明でもあります。
宜しくお願い致します。

わ私の秘密も今回で四回目。

秘密が多いのか文章にまとまりが無いのかどっちなのかなぁ。

前回は私が子役として初めて本格的な役を貰った作品の話から佐藤允さんや夏木陽介さんの話から当時話題の《ウルトラQ》の話なんかをしました。

今回は前回いい忘れたことを書いていきます。

宜しくお願いします。


歯医者さんの家には《アトラス》という名のボクサー犬がいました。

私はこの犬が好きでよく遊んでいました。

ある日、夏木陽介さんが歯医者さんの所へやって来ました。

私は息子さんに子役をやっている事を話していたのか憶えていません。

私は結局、大学生になるまで神楽坂に住みましたが歯医者の息子さんとはだんだん交流が無くなっていきました。

中学生になり高校生になっていくうちに帰りも遅くなり、生活環境も変わっていったからでしょうか。


話を小学生の頃に戻します

黒澤明監督の作品の中に

《悪い奴ほどよく眠る》

というのが有ります。


私の人生のあんまり言いたくないエピソードを聞いて下さい。


この映画に私は出れることになりました。

といってもエキストラなんですが。

それでも黒澤組の現場ですから突然、監督から何かの演技プランが出る時もあるので結構緊張感は子供ながらにあったかもしれません

私は東宝の撮影所に集合と打ち出されたため撮影所に行きました。

ここから、私の黒歴史が始まります。

一日目、朝早く東宝に行きスタッフからの指示を待ちました。約束の時間を一時間ほど過ぎた頃、スタッフの人が来ました。

『おはようございます!申し訳ありません今日は中止になりました』と軽くバラシを通告されました。

えーッと思いましたが帰ることにしました。

二日目、朝イチの集合ですが、やはり1時間程待たされたあとその日も中止。

二日連続の中止でがっかりでしたが、帰りました。

次の日は三日目。

同じ時間に集合して中止。さすがに子供だった私もイラッとしました。

そして次の日も同じ時間に呼ばれました。


四日目。


同じように集合しましたが

やっぱり中止。

さすがに子供でもキレました。

その時ついて来ていた家族が母だったか姉だったのか判然としないのですが納得出来ずに『中止、中止って毎日言われて理由は教えてもらえない。今日でもう四日ですよ。何が理由か教えてください!』


そう詰め寄りました。

私は学校をその日で四日間休んでいます。

学校になんて言えば良いのかわかりません。

何度かのやりとりの後です

スタッフが理由を話してくれました。

それを聞いて家族も私も驚きました。

スタッフは『監督から四日間とも天気の感じが良くないって言われてます。空の色が・・・』

多分この日の付き添いは母だったと思います。

『この子は今日で四日間、

学校を休んでます、あと何日休めって言うんですか?

その理由が空の色、ふざけてるんですか!』

私は今でもこの日の事を憶えています。

強い力で手を引っ張られ、

撮影所を後にしました。


今、考えると黒澤明監督の作品と言えばモノクロです

空の色、関係ありますか?

皆さんはどう思いますか?

天下の黒澤明に物申すなんてとんでもないと思いますか、それとも多勢の人が困っているんだし当然だと思いませんか。


兎に角、私の母はそう言ったのです。

私の黒澤組出演は幻となりました。


何故その日に母が一緒だったと思うかと言うと、姉は未だ18歳になったかの頃です、撮影所の中で大人達相手に啖呵を切るなんて出来るわけありません。

そのてん私の母は、理不尽なことには断固として抗う人でしたから、また話が脱線しますが私の母は当時

英語が堪能で、日本に居る外人が筋違いな事をすると英語で叱りつけるような人でしたから、母なら世界の黒澤明だろうがなんだろうがお構いなしだと思います

ずいぶん色々とお話させていただきましたが、前回の

言い残しというか書き残した話を最後にさせて頂いて終わりたいと思います。

『大空の野郎ども』の事で

このBlogを書くうちに知ったのですが、出演者の中に凄い人が出ていました。


若林映子さん、この作品の数年後、あのS・コネリー『007は二度死ぬ』に出演して浜美枝さんと共にボンドガールの仲間入りをしました。

そしてもうひとり日本の映画界でなくてはならない存在でテレビでも大活躍した市原悦子さんが出ていました。

二人ともバーのホステス役だったため私の出演場面とは違いましたが、ブレイク前の大女優達が出演していたって言うのは感動です。


今日はほんとに長かったのでこのへんで失礼しますが次回は今日登場した私の母のエピソードをもうひとつ話したいと思いますので宜しくお願いします。

それではお楽しみに。