不愉快さと抑え難い怒り。 | 高田龍の《夢の途中》

高田龍の《夢の途中》

気がついたら、72歳に成ってました。
今までずいぶんたくさんのことを書いて来ました。
あと何年生きられるのか判りませんが、書き続ける事が生存確認でも有りますし生存証明でもあります。
宜しくお願い致します。

しばらくの間、世の中の人達の耳目を最も集めていた二つの事件が、少し落ち着いてきた。

とは言っても、二つの事件のうち、ひとつは芸人達が所属先の事務所に内緒で仕事をし、そのクライアントが反社会勢力だったというもの。

タレントの斡旋をしたのは同じ事務所の芸人。

いわゆる闇営業をした芸人の中には、テレビのレギュラーを持ち、まぁ一流芸人と格付けされる人間がいた。

その彼等の罪のひとつは金銭の授受を隠蔽したことだろう。

事務所に隠したことよりも、世間に隠したことの方が罪は重いと思う。


加害者の芸人は、涙の謝罪会見でいつの間にか被害に。
さらに、事務所側も世間の反応を意識してか、不細工な社長の記者会見で不細工の上塗り。

でも、よく考えてみると、反社会勢力に知ってか知らずか、近づき、金を受け取った芸人と、斡旋した節操のない芸人、が悪いのであって、事務所側の対応やら体質については別の問題ではないだろうか。

中々食えない芸人のためとか後付けはともかく、金に汚い感覚なことは確かだろう。

もうひとつの事件。

これは、笑えない話だ。

京都のアニメの会社。

私は勉強不足で、この会社を知らなかった。

アニメファンの人達にすれば、聖地なのだと聞く。

それは、国内だけのことではない。
これ以上のことは私がうわぬりするひつようもないだろう。

数日前に変な話を聞いた。

20年来の友人からだ。

連日のマスコミの報道では、アニメの会社と男との間には、なんらの関わりもないということだったが、その友人は違うと言った。

あそこの社長は、あの男と面識があった。

奴から原稿を買っていた。

そして、そのうちに原稿料を払わずに奴の原稿を使用したんだ。

私は、驚いた。

しかし、その時は話半分に聞いていた。

芸能界にいろいろ伝手のある友人なので、私の知らないことを知っていても不思議はないかも知れないのだが、にわかには信じられない話だった。

しばらく経って、朝のニュースを見ていると、アニメの会社がかつて一般公募した小説の応募者の中に、男の氏名があったという。

彼の話は、デタラメではなかった。

その後、それ以上の報道は私が知る限りない。

もし、それが事実であり、あの男がアニメの会社からなんらかの被害を被っていたとしても、だからと言って数十名の人の命を奪うことが許される訳ではもちろんない。
突然、襲いかかる黒煙と炎の中で若者達は何を思ったのだろうか。

自分の身体が、紅蓮の炎に包まれ、息苦しと黒煙の為に視界を遮断された中で、彼等は何を思い、誰を思ったのだろう。

無念、恐怖、絶望感。

彼等になんの罪があるというのだろう。

こんな愚鈍な男の卑劣な行為の為に、死ななくてはならなかった若者達が不憫でならない。

重症ではあるが、男は生きている。

まったく自身とは関わりのない事件ではあるが、怒りに身体が震えている。