私は、中学生だった。
初めて自分の小遣いで買ったレコードは
《PeterPaul&marry》の500マイル。
安物のレコードプレーヤーから流れ出した哀愁に満ちたmarryさんのハスキーな声を聴いた時、私は少年から大人の入り口に足を踏み入れた気がした。
当時、私の家の隣に小さなレストランがあって、その店の息子が明治大学の学生の《トクヤ》君。
彼は、私が中学生になってからしばらくの間、家庭教師をしてくれた。
《トクヤ》君には、いろいろなのことを教えて貰ったが、勉強のことはあまり記憶にはない。
2枚目に買ったのが、やはりPPMの《時代は変わる》だった。
この曲の歌詞は、ケネディ大統領の就任演説の中の言葉からインスパイアされ、ボブ・ディランが作詞、作曲をし、様々なアーティストによって歌われ、ヒットし世界中に拡散した。
まぁ、世界に拡まり歌い継がれて来た楽曲と云うなら、《風に吹かれて》の方が有名だろう。
日本の総理大臣が代わることでさえ、遠い話に感じてしまう私にとって、海の向こうのアメリカ合衆国の大統領が代わることはもっと私には縁の遠い話ではある。
しかし、大統領が代わる度に、何故か胸がときめいた。
ケネディ大統領の時も、ニクソンの時も、カーターやクリントンの時もそうだった。
ずっとそうだった。
新しい大統領が何を語り、世界に向かって何をするのか。
アジアの国の一少年にでも、そんなことを期待させてくれた。
今日、アメリカ合衆国の大統領がオバマからトランプに引継がれた。
私の心は、今迄のようにはときめくことはない。
ケネディ大統領は、就任演説の時、こうも言ったという。
《国が何をしてくれるのかではなく、自分が国に何が出来るかを〜》
今のアメリカ国民は、何をトランプ新大統領にして欲しいのだろうか?
怖ろしい悲劇の嵐が世界中に吹き荒れない事を祈るばかりだ。