高田龍の《夢の途中》

高田龍の《夢の途中》

気がついたら、72歳に成ってました。
今までずいぶんたくさんのことを書いて来ました。
あと何年生きられるのか判りませんが、書き続ける事が生存確認でも有りますし生存証明でもあります。
宜しくお願い致します。



厚労省の佐山は、外連味たっぷ

に笑みを浮かべて百地のことを見てから語り始めた。


『さすがに教授はするどいですねぇ、私どもはこの件に関して、もちろん外部には秘密です』

佐山は話を進めて、百地には《熊》による被害ではないことを証明してもらうのはもちろんのこと、三人を殺したのは誰かという事だと言う。


『誰かというより、何かと言った方が正しいかな』

その言葉で締め括った。


『誰かより何か』


口の中で佐山の言葉を繰り返していた。

『じつは、私達はこの件があった直後に、古い文書を手にしているんです』

『古い文書?』

その文書というものが、何処から持ち込まれたもので何が書いてあったのかを百地は尋ねた。

『その文書はですね、厚労省が探したものでは無いんです、神奈川県のある寺から持ち込まれたものです』

神奈川県と言えば、三人の犠牲者が発見されたのが、神奈川県の山の中だった。


『神奈川県の寺、そこからどんな文書が』


『教授、今も言ったように文書は私達が手を出してと言うものではなく、先方の方から提出されたもの、ということです』

『で、その文書というのはどういう類いのもの何ですか』