我が家の隣には14世帯入居の2階建てのアパートが建っている。14世帯と言っても、ワンルームで ほとんど一人暮らしの男性世帯だと思われる。
 世相を反映し、一時期 ブラジルからの出稼ぎ家族がほとんどを占めていた時には、ベランダに 洗濯ものを男性がパンツ一丁で干していたり、階段にブルーシートをかけて夜遅くまでみんなで大騒ぎして大宴会をしていた時もあった。
 ベランダに干してあった布団が我が家に落ちてきて ジーさんに布団を返しに行ってもらったりした。一目では日本人だと思っても、言葉が違うので中国人だと思われ、結局 派遣会社の寮として ここに住んでいるようだ。
 パトカーが来たり、救急車が来たり、訳の分からないことも多い。
 この頃は 単身の老齢の男性が何人か住んでいて、そのうちの一人は近所の遊園地の前で行き倒れて、亡くなっていたこともあった。
 
 ここに住んでいる、やはり高齢の男性で、以前からよく近所の道端で座り込んで休んでいる方がいて、(買い物帰りだと思うが)「大丈夫ですか?」と聞くと「大丈夫」と返事していたが、この頃その方を見かけないので、どうしたかなあ とジーさんと話していた。

 今日、ジーさんがリュウの散歩をさせている時、アパートの他の住人に聞いたら、「亡くなったよ」とのことだった。一か月ほど前、自室で亡くなっていたそうで、この住人さんと電話連絡を日ごろからしていたのだが、電話に出ない所から発覚したそうである。

 日頃からシンドソウであったから、きっとかなり辛かったのだろう。それでも誰の手を煩わせるのでもなく 一人で旅立っていかれたのだろう。お見事!と私は心の中で、名前も知らないこの男性の生涯を思った。合掌。
 この男性は生活保護を受けてみえたので、市役所の職員が葬式を執り行ったと、同じアパートの住人さんが言っていたそうだ。
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