一人暮らしで、ごみを出すのに困っている人のために、市が特別収集してくれる制度があるそうで、その申請をケアマネがしてくれた。そのために、今日、市から2名の職員の方がきて、ケアマネさん・ヘルパーさん・私が同席し、母の家で説明があった。

 私はこの説明なら、家の外でごみをどこへ出すかなど 具体的に話すればよく、家の中へ職員さんがあがることはないと思っていた。ところが職員さんは、「これは税金を使ってすることだから、実際、お母さんの状態を見せて頂きたい」というので、1人の職員さんが母のベッドの所まで上がって観ていった。
私は、見ず知らずの市の職員さんに、母が寝ているところを見せたくなかった。
 「確かにこの状態では、お母さんがゴミを出すことは難しいでしょう。(家の中は)きれいになっているじゃありませんか。(なぜ私どもが家の中へ入ることを拒否しようとしたのですか?)」
 
 私は自身も毎日ちゃんと掃除機をかけ、雑巾をかけて、掃除をしている。これは母から受け継いだもので、母は今でこそ掃除はできないが、それ以前はちゃんと老齢ながら掃除をして身の回りをきれいにして生活していた。家に入ってくれるヘルパーさんは皆 一様に、「きれいですね」と言ってくれていた。

 私は家の中が散らかっているから、市の職員さんに家の中に入ってほしくなかったわけではない。
人には尊厳というものがある。老いて、寝込んでいるところを見てほしいということが あるだろうか?母は杖をついて外を歩くこと、歩行器を使って外を歩くことさえ、人にみられたくなかったのだ。

 もう一度言いたい。人には尊厳というものがある。人と関わる仕事をしている以上、そこに鈍感になっていただきたくない。
 
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