空を眺める僕は、月を。
続きです
誤字脱字は見逃してくれると嬉しいです
なんだろ、この胸が落ち着いて暖かくて…周りのモノが滲んでいく感じは…。
僕は幸せ者だ。こんな想いをする事がができるのだから。
これからあと何回あるんだろ?いや同じ時間は帰ってこないんだ。
だからきっと…。
「今日リュウの家に泊まるから」
「…?…なんで!?」
「だってみんな酔ってるから帰れないし。」
「…いやいやないでしょ。」
「リョウが泊まるの嫌なの?」
「そうじゃなくて…困るよいきなり…。」
「今やらしぃ事考えたでしょ?」
「あのなぁ…つかさ、からかって言ってるの?」
「真面目に言ってるよぉ。」
「マジで?」
「(笑)」
「…ヤバイでしょ。」
僕ははっきり言って酔いが冷めた。
こんな展開はまずいよぉって思いながら一瞬隣にいるリョウにからかわれているのかなぁと思い、もしもの事を考えちゃうのは自分も男なのかなぁと少し自分で自分にツッコミをいれていた。
(アホ、ダメだって。)
こんなに飲んだのはいつぶりだろ。意識が飛びそうなくらい気持ちよく飲んでいた。
12時くらいになっておひらきになった。
気がついた時には表は真っ暗でそらはまた月が出ていた。
別れを告げる時月の光でみんなの顔が笑ってるのがわかった。
こんなに笑ったのはいつぶりだろ。
本当に幸せな時間だった。
結局彼女は飲んでなかった家族の車に便乗して帰っていく事になった。
去り際の彼女は月の光に包まれながら蒼く染まって不思議な感じになったけど、表情を見るとなんだか切なくなった。
僕は内心ホッとしていた。だってそんな事になったらどうしたらいいか分からないから。
帰路の途中に兄貴と一緒になって話をしながらあるいた。
「なぁリュウ」
「なに?」
「皆見ててわかった?」
「?」
「たぶんな、今の時期にこの連休だろ他の飲み会とかも重なっているはずだから皆帰ったらリバースしてると思うよ。」
「そうだよな。」
「でもなんでそんなになる事知ってて飲んでたかお前わかるか?」
「…なんだろ?」
「それはな多分、お前が自分の思っている以上に皆はお前を大切だと思ってるんじゃないかな。」
「そんな事ないって。」
「いやそうなんだと思うよ。だってあの中で地元離れてるのはお前だけだし、それに俺らのなかでお前ほど色々迷惑かけたガキいなかったと思うよ。だからそんなお前が帰ってきたって聞いたら何だか思う事が有ったんだと思うよ。」
「…そっかなぁ。」
「まぁ少なくても俺はそう思ったけどな。」
「…」
家の前まで来て兄貴は先に家に入って行って僕は入らないでコンクリートの地面に寝そべって夜空を見た。
すぐに家に入るのは嫌だった。
その日はよく晴れた空で星が小さく散らばっていた。眺めながら冷たくなったコンクリが気持ちよくて溜息がでた。
今日は色々あった。勉強になったし、楽しかった。
それに気づかされた事が大きくて始め戸惑いそうになったけどでも、大切にしたいと思えた。
今日あった記憶も。
一度瞼を閉じて深く大気を吸った。
それから起き上がって家に入って行った。
お風呂に入って上がると酔いがいい感じになっていたけど構わずリョウとメールをしながらいつの間にか眠りについていた。
次の日の天気は僕を裏切った。
夜天気のいい日は翌日晴れると聞いていたのにその日は朝から雨だった。
雨の日は憂鬱だ。
でも晴耕雨読。雨の日は雨の日でやれる事をすればいいのだ。
しかしその日は外に出ることになった。
朝が少し過ぎてから起きてメールをまたし始めた。
前の日大分飲んでいたのにも関わらず体調は良くてそれに休みも終に近づいていたので家に居るのはいやだった。
結局メールをするうちにまた会う事になり僕はお昼を食べる少し前の時間にこの前と同じ場所で会うことになった。
家を出ると小雨くらいになっていたので傘を開かず、歩いた。
しばらく歩いていると前から彼女が現れた。
天候に合わせたのか、僕の心境に合わせたのか今日は服装がシックな感じで普通に似合ってると言ったら。
「ありがと」
と微笑んでくれた。
正直僕はこんなに連続で会ったらどっちらかが飽きてしまうと思った。
そうなればいいと思った。だってこれが終ればしばらく僕はここにくる事はないし、それにこれ以上の関係は良くないと思った。
怖くなったんだと思う。彼女の存在が大きくなっていくのが。
でも僕も彼女も話が途切れなかった。
夏が終わりに近づいて切なくなったのか、互いの想いが同じ様に膨れていったからなのかでも理由なんかどうでも良かった。
彼女といることが僕にとって一番の大切な時間になっていたから。
話は好きな色。季節。歌。言葉。そして異性に。
「私し思うんだ。」
「何?」
「好きな人が他の人が好きの時自分が幸せじゃなかったら嘘になるって、だから違う人からその人を奪うのはいいと思うの。」
「相手が幸せでいれば自分も幸せって言うことが嘘って事?」
「Yes」
「ふーん」
「リュウはどう思う?」
初めてキャッチボールの球を僕は落とした。
言葉が詰まった。
訳なんて言いたくなかった僕の中の答は始めからNoだったから。
雨が降る夜の日。僕は明るくなる空を見ながら僕は思った。
彼女が僕ではない人と一緒に居ることで僕が好きな笑った彼女でいる事ができるなら、彼女がそれで幸せなら僕はそれ以上望む事は無と。
最後に公園から出る時彼女にメールを送った。
自分が諦められる精一杯のキモチを綴った最後のメールを。
「…俺は違うかもしれない。」
「リュウはそうじゃない幸せを望むの?」
「…うん」
「なんで?」
「…リョウは世界で一番硬いものってなんだと思う?」
「いきなり何?」
「いいから。何だとリョウは思う?」
「ダイアとか金属かな?」
「そっかぁ。」
「答はなに?」
「…俺はね、人の心だと思うんだ。」
「心?」
「うん。てかキモチかな。」
「なんで?」
「んーとね。どんなモノも人は形を変えるために削ったり曲げたりして今の人の文明はあると思うんだ。でもその加工する人達の志は曲がったり折れたりしなかった。それと同じで人を好きとか愛するキモチは簡単に変えれるモノじゃないって思うんだ。俺はね。」
「ふーん。じゃあ好きな人のキモチを変えたいとは思わないの?」
「というより、俺のキモチが変わらないって言った方がいいかな。」
「それびみょ~に答になってないよ。」
「そっかな?」
「はい!」
「えーとね…(笑)」
「おい!(笑)」
デパートの一番上の階のファミレスに入ってお昼を食べた。
僕は学校が始まってから最高の苦学生の生活を過ごしたせいで胃袋が大分縮まった感じで少食になっていてオムライス一品でかなりお腹が膨れていたけど、女の子お得意の小さい弁当箱風の食べ方で結局残った彼女のグラタンを食べた。
「良く食べたしたぁ!」
「もぅ食えましぇん。」
「いいじゃん!向こうに行ったら食べなくなるんだから。栄養付けて帰って。」
「栄養過剰摂取です。」
「ハハハ(笑)」
「…お腹がぁ(笑)」
食べ終わって飲み物を飲みながらしゃべっていると、雨が降り出した。
夏が終わりそうなのに、季節は梅雨に戻りたがっているようだった。
「雨降りだしたね」
「リョウ傘もってなかったけど大丈夫?」
「私傘さすの嫌いなんだ。」
「リョウ変わってるな」
「そうかな?」
「多分大分。」
「リュウは雨好き?」
「当たるのは嫌だけど風景は好きかな。」
「そっかぁ。リョウは当たるのも好きだよ。だって気持ちいいじゃん。」
「でも後から気持ち悪くならない?」
「うん。でも好きなんだ。」
好きという単語が多くなってると思った。
窓辺に雨が流れて景色も一緒に流れている。
彼女の姿に流れる雨が影で映っていてそんな彼女の表情はバイトの時間が迫っていらからかなんだか俯きがちになっている。
「そろそろいくか?」
「うん」
会計を済まして出るとゲーセンがあったのでふたりで思い出といいながら、プリクラを撮ってデパートを出た。
帰路の途中兄貴の話になった。
「リョウさ覚えてる?」
「なに?」
「リョウが怪我した時兄貴がリョウを貰うってそんな感じの冗談話してたの」
「あぁ、あれね。懐かしいなぁ。お兄ちゃん覚えてるかなぁ?」
「昨日その話したら、(そんな事もあったなぁ)って感じに忘れてたな。」
「そっかぁ。」
「実際さ、ガキの頃から思ってたんだけど。リョウって兄貴のこと好きだった?」
「え?なんで?」
「いや、アイツは昔からモテるしそんな感じに見えてたから。」
「私は…リュウの方が好きだよ。リュウは前から優しいし。…好きだよ。」
一瞬時が止まった。雨は止んでいて風も凪がれて、気温はまだ夏なのに肌寒いくらいになっていたのに多分顔は真っ赤になっていたと思う。
それくらい暑くなった。
「…ありがとうな。」
「…うん。」
彼女の家の前まできてふたりは時間になるまで立ち話をした。
腕時計を見ながらあと何分と話ながら。
時計を見る度胸がギュウって感じになって、離れたくないと思った。
「俺決めた。」
「?」
「進学する。」
「え?」
僕の学校は元々二年制の専門で普通なら僕は卒業になるのだが、あと二年学生でいることができ二年で受けられる国家試験より、より上の試験を受けれるようになり、ついでに大学の修士を得られるというとこで。
実際、就職か進学で迷っていたのだ。
「リョウさ、頑張ってるじゃん?だから俺も負けられないなぁって。」
「うん。」
「だからもっと人としてもっと大きくなって、一人前に成れるようにお互い頑張って互いに認められるくらいになったら…。」
「…うん。」
拳を握りしめた。
「それまで頑張ろな。」
「うん。頑張る。私待ってるから。」
「リョウが大学とか進学して俺も今の学校で頑張って。目標みたいなモノに近ずけたら…。」
「うん。」
僕は言うべきかそうでないか刹那の間迷った。
でも高ぶる胸の鼓動は押さえられなかった。
「一緒になろな。」
「うん。」
「…もう時間かな。」
「…まだいたい。でもしょうがないのかな。」
「そうだな。」
「いつ帰ってくるの?」
「…X'mas頃かな。」
「三ヶ月ちょっとかぁ…長いね。」
「それもしょうがない事だよ。」
「…うん。」
「互いに認められる存在になつたら親達もきっと…な。」
「そうだね。」
「本当に時間だな。」
「うん。」
離れる事を想像すると切なくて胸が裂けそうになることを久しぶりに感じた。
そうなんだ。僕はこの感じの自分が素直な僕で、嘘がない僕でいられる時。
自分が自分でいられる時。
それは好きな人といるとき。
それ以外ないんだ。と想えた。
時間が大ッ嫌いになった。
この時が止まればどれほど幸せなんだって。
「もう行くな。」
「…うん。」
「リョウ俺…。」
少し俯いて頭を上げると君がそこにいた。
彼女は僕の胸に顔を横に寝かせた。
僕は両手一杯に抱きしめたかったけどできなかった。
空を見て、目をつぶって。彼女の肩に手をのせた。
「…リュウバイバイ。頑張ってね。」
「うん。リョウも…いやあんまり頑張り過ぎないでな。身体が一番だから。」
「うん。わかったぁ。」
「…今はこれで十分だよ。」
そう言って彼女から離れた。
手を優しく握った。
「…またな。」
「うん…バイバイ。」
「ばい!」
握った手を少しずつ離して最後に手を挙げて別れた。
前を見て歩きだした。
目が胸があつくなって空を見上げた。
もう泣き疲れた空は爽快な顔色していて、まだ明るいのに白い月が僕を見ていた。
抱きしめられなかった僕を戒めるように。
僕は彼女といる時いつも上から眺めている君を見ながら。
涙は流さないよ。もっと強い人になりたいから。
と堪えたけど、溢れる涙が押さえられなくて君が見えなくなった。
僕に夏は終を告げていた。


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なんだろ、この胸が落ち着いて暖かくて…周りのモノが滲んでいく感じは…。
僕は幸せ者だ。こんな想いをする事がができるのだから。
これからあと何回あるんだろ?いや同じ時間は帰ってこないんだ。
だからきっと…。
「今日リュウの家に泊まるから」
「…?…なんで!?」
「だってみんな酔ってるから帰れないし。」
「…いやいやないでしょ。」
「リョウが泊まるの嫌なの?」
「そうじゃなくて…困るよいきなり…。」
「今やらしぃ事考えたでしょ?」
「あのなぁ…つかさ、からかって言ってるの?」
「真面目に言ってるよぉ。」
「マジで?」
「(笑)」
「…ヤバイでしょ。」
僕ははっきり言って酔いが冷めた。
こんな展開はまずいよぉって思いながら一瞬隣にいるリョウにからかわれているのかなぁと思い、もしもの事を考えちゃうのは自分も男なのかなぁと少し自分で自分にツッコミをいれていた。
(アホ、ダメだって。)
こんなに飲んだのはいつぶりだろ。意識が飛びそうなくらい気持ちよく飲んでいた。
12時くらいになっておひらきになった。
気がついた時には表は真っ暗でそらはまた月が出ていた。
別れを告げる時月の光でみんなの顔が笑ってるのがわかった。
こんなに笑ったのはいつぶりだろ。
本当に幸せな時間だった。
結局彼女は飲んでなかった家族の車に便乗して帰っていく事になった。
去り際の彼女は月の光に包まれながら蒼く染まって不思議な感じになったけど、表情を見るとなんだか切なくなった。
僕は内心ホッとしていた。だってそんな事になったらどうしたらいいか分からないから。
帰路の途中に兄貴と一緒になって話をしながらあるいた。
「なぁリュウ」
「なに?」
「皆見ててわかった?」
「?」
「たぶんな、今の時期にこの連休だろ他の飲み会とかも重なっているはずだから皆帰ったらリバースしてると思うよ。」
「そうだよな。」
「でもなんでそんなになる事知ってて飲んでたかお前わかるか?」
「…なんだろ?」
「それはな多分、お前が自分の思っている以上に皆はお前を大切だと思ってるんじゃないかな。」
「そんな事ないって。」
「いやそうなんだと思うよ。だってあの中で地元離れてるのはお前だけだし、それに俺らのなかでお前ほど色々迷惑かけたガキいなかったと思うよ。だからそんなお前が帰ってきたって聞いたら何だか思う事が有ったんだと思うよ。」
「…そっかなぁ。」
「まぁ少なくても俺はそう思ったけどな。」
「…」
家の前まで来て兄貴は先に家に入って行って僕は入らないでコンクリートの地面に寝そべって夜空を見た。
すぐに家に入るのは嫌だった。
その日はよく晴れた空で星が小さく散らばっていた。眺めながら冷たくなったコンクリが気持ちよくて溜息がでた。
今日は色々あった。勉強になったし、楽しかった。
それに気づかされた事が大きくて始め戸惑いそうになったけどでも、大切にしたいと思えた。
今日あった記憶も。
一度瞼を閉じて深く大気を吸った。
それから起き上がって家に入って行った。
お風呂に入って上がると酔いがいい感じになっていたけど構わずリョウとメールをしながらいつの間にか眠りについていた。
次の日の天気は僕を裏切った。
夜天気のいい日は翌日晴れると聞いていたのにその日は朝から雨だった。
雨の日は憂鬱だ。
でも晴耕雨読。雨の日は雨の日でやれる事をすればいいのだ。
しかしその日は外に出ることになった。
朝が少し過ぎてから起きてメールをまたし始めた。
前の日大分飲んでいたのにも関わらず体調は良くてそれに休みも終に近づいていたので家に居るのはいやだった。
結局メールをするうちにまた会う事になり僕はお昼を食べる少し前の時間にこの前と同じ場所で会うことになった。
家を出ると小雨くらいになっていたので傘を開かず、歩いた。
しばらく歩いていると前から彼女が現れた。
天候に合わせたのか、僕の心境に合わせたのか今日は服装がシックな感じで普通に似合ってると言ったら。
「ありがと」
と微笑んでくれた。
正直僕はこんなに連続で会ったらどっちらかが飽きてしまうと思った。
そうなればいいと思った。だってこれが終ればしばらく僕はここにくる事はないし、それにこれ以上の関係は良くないと思った。
怖くなったんだと思う。彼女の存在が大きくなっていくのが。
でも僕も彼女も話が途切れなかった。
夏が終わりに近づいて切なくなったのか、互いの想いが同じ様に膨れていったからなのかでも理由なんかどうでも良かった。
彼女といることが僕にとって一番の大切な時間になっていたから。
話は好きな色。季節。歌。言葉。そして異性に。
「私し思うんだ。」
「何?」
「好きな人が他の人が好きの時自分が幸せじゃなかったら嘘になるって、だから違う人からその人を奪うのはいいと思うの。」
「相手が幸せでいれば自分も幸せって言うことが嘘って事?」
「Yes」
「ふーん」
「リュウはどう思う?」
初めてキャッチボールの球を僕は落とした。
言葉が詰まった。
訳なんて言いたくなかった僕の中の答は始めからNoだったから。
雨が降る夜の日。僕は明るくなる空を見ながら僕は思った。
彼女が僕ではない人と一緒に居ることで僕が好きな笑った彼女でいる事ができるなら、彼女がそれで幸せなら僕はそれ以上望む事は無と。
最後に公園から出る時彼女にメールを送った。
自分が諦められる精一杯のキモチを綴った最後のメールを。
「…俺は違うかもしれない。」
「リュウはそうじゃない幸せを望むの?」
「…うん」
「なんで?」
「…リョウは世界で一番硬いものってなんだと思う?」
「いきなり何?」
「いいから。何だとリョウは思う?」
「ダイアとか金属かな?」
「そっかぁ。」
「答はなに?」
「…俺はね、人の心だと思うんだ。」
「心?」
「うん。てかキモチかな。」
「なんで?」
「んーとね。どんなモノも人は形を変えるために削ったり曲げたりして今の人の文明はあると思うんだ。でもその加工する人達の志は曲がったり折れたりしなかった。それと同じで人を好きとか愛するキモチは簡単に変えれるモノじゃないって思うんだ。俺はね。」
「ふーん。じゃあ好きな人のキモチを変えたいとは思わないの?」
「というより、俺のキモチが変わらないって言った方がいいかな。」
「それびみょ~に答になってないよ。」
「そっかな?」
「はい!」
「えーとね…(笑)」
「おい!(笑)」
デパートの一番上の階のファミレスに入ってお昼を食べた。
僕は学校が始まってから最高の苦学生の生活を過ごしたせいで胃袋が大分縮まった感じで少食になっていてオムライス一品でかなりお腹が膨れていたけど、女の子お得意の小さい弁当箱風の食べ方で結局残った彼女のグラタンを食べた。
「良く食べたしたぁ!」
「もぅ食えましぇん。」
「いいじゃん!向こうに行ったら食べなくなるんだから。栄養付けて帰って。」
「栄養過剰摂取です。」
「ハハハ(笑)」
「…お腹がぁ(笑)」
食べ終わって飲み物を飲みながらしゃべっていると、雨が降り出した。
夏が終わりそうなのに、季節は梅雨に戻りたがっているようだった。
「雨降りだしたね」
「リョウ傘もってなかったけど大丈夫?」
「私傘さすの嫌いなんだ。」
「リョウ変わってるな」
「そうかな?」
「多分大分。」
「リュウは雨好き?」
「当たるのは嫌だけど風景は好きかな。」
「そっかぁ。リョウは当たるのも好きだよ。だって気持ちいいじゃん。」
「でも後から気持ち悪くならない?」
「うん。でも好きなんだ。」
好きという単語が多くなってると思った。
窓辺に雨が流れて景色も一緒に流れている。
彼女の姿に流れる雨が影で映っていてそんな彼女の表情はバイトの時間が迫っていらからかなんだか俯きがちになっている。
「そろそろいくか?」
「うん」
会計を済まして出るとゲーセンがあったのでふたりで思い出といいながら、プリクラを撮ってデパートを出た。
帰路の途中兄貴の話になった。
「リョウさ覚えてる?」
「なに?」
「リョウが怪我した時兄貴がリョウを貰うってそんな感じの冗談話してたの」
「あぁ、あれね。懐かしいなぁ。お兄ちゃん覚えてるかなぁ?」
「昨日その話したら、(そんな事もあったなぁ)って感じに忘れてたな。」
「そっかぁ。」
「実際さ、ガキの頃から思ってたんだけど。リョウって兄貴のこと好きだった?」
「え?なんで?」
「いや、アイツは昔からモテるしそんな感じに見えてたから。」
「私は…リュウの方が好きだよ。リュウは前から優しいし。…好きだよ。」
一瞬時が止まった。雨は止んでいて風も凪がれて、気温はまだ夏なのに肌寒いくらいになっていたのに多分顔は真っ赤になっていたと思う。
それくらい暑くなった。
「…ありがとうな。」
「…うん。」
彼女の家の前まできてふたりは時間になるまで立ち話をした。
腕時計を見ながらあと何分と話ながら。
時計を見る度胸がギュウって感じになって、離れたくないと思った。
「俺決めた。」
「?」
「進学する。」
「え?」
僕の学校は元々二年制の専門で普通なら僕は卒業になるのだが、あと二年学生でいることができ二年で受けられる国家試験より、より上の試験を受けれるようになり、ついでに大学の修士を得られるというとこで。
実際、就職か進学で迷っていたのだ。
「リョウさ、頑張ってるじゃん?だから俺も負けられないなぁって。」
「うん。」
「だからもっと人としてもっと大きくなって、一人前に成れるようにお互い頑張って互いに認められるくらいになったら…。」
「…うん。」
拳を握りしめた。
「それまで頑張ろな。」
「うん。頑張る。私待ってるから。」
「リョウが大学とか進学して俺も今の学校で頑張って。目標みたいなモノに近ずけたら…。」
「うん。」
僕は言うべきかそうでないか刹那の間迷った。
でも高ぶる胸の鼓動は押さえられなかった。
「一緒になろな。」
「うん。」
「…もう時間かな。」
「…まだいたい。でもしょうがないのかな。」
「そうだな。」
「いつ帰ってくるの?」
「…X'mas頃かな。」
「三ヶ月ちょっとかぁ…長いね。」
「それもしょうがない事だよ。」
「…うん。」
「互いに認められる存在になつたら親達もきっと…な。」
「そうだね。」
「本当に時間だな。」
「うん。」
離れる事を想像すると切なくて胸が裂けそうになることを久しぶりに感じた。
そうなんだ。僕はこの感じの自分が素直な僕で、嘘がない僕でいられる時。
自分が自分でいられる時。
それは好きな人といるとき。
それ以外ないんだ。と想えた。
時間が大ッ嫌いになった。
この時が止まればどれほど幸せなんだって。
「もう行くな。」
「…うん。」
「リョウ俺…。」
少し俯いて頭を上げると君がそこにいた。
彼女は僕の胸に顔を横に寝かせた。
僕は両手一杯に抱きしめたかったけどできなかった。
空を見て、目をつぶって。彼女の肩に手をのせた。
「…リュウバイバイ。頑張ってね。」
「うん。リョウも…いやあんまり頑張り過ぎないでな。身体が一番だから。」
「うん。わかったぁ。」
「…今はこれで十分だよ。」
そう言って彼女から離れた。
手を優しく握った。
「…またな。」
「うん…バイバイ。」
「ばい!」
握った手を少しずつ離して最後に手を挙げて別れた。
前を見て歩きだした。
目が胸があつくなって空を見上げた。
もう泣き疲れた空は爽快な顔色していて、まだ明るいのに白い月が僕を見ていた。
抱きしめられなかった僕を戒めるように。
僕は彼女といる時いつも上から眺めている君を見ながら。
涙は流さないよ。もっと強い人になりたいから。
と堪えたけど、溢れる涙が押さえられなくて君が見えなくなった。
僕に夏は終を告げていた。
