空を眺める僕は、月を。
前回大分誤字脱字目立ったなぁ

続きを載せます

墓地の横の坂を登りきって街灯の下まできた所で僕が
「もう大丈夫だろ?」
「え?」
「明かりがあるから」
「あっ、そうだよね」
そう言って彼女は僕の裾を離した。
街灯の明かりはオレンジ色で回りの家や道路まで染まっていたのに離れた時見えない暖かい何かで、僕をその時まで染まってなかった様に思えた。
しばらく歩きながら話していると彼女の携帯が鳴った。母親のようだった。
話ているとだんだん頷くだけするようになって、少し俯きながら言った。
「お母さんくるって。」
「ふーん。…マジで!?」
「少し怒ってる。」
「少しじゃないでしょ。音漏れてたもん。」
「かなぁ?でも多分大丈夫だと思う…。」
「予想が的中しちゃったよ。(笑)」
「どうしよっか?」
「郵便途中にあるからそこが良いと思うよ。駐車場あるし。」
「わかった。」
駐車場で待ってる間歩道の脇にあるガードレールのような所にもたれながら話をしていた。
内心凄く焦ってるのとずっと話しているのに途切れることなく楽しくて、二つの気持ちが入り乱れてた。
少しして白いバンが目の前に止まった。
(やべぇ~、絶対怒ってるよ。)
パワーウィンドウが下がった。
「ダメでしょ!こんな時間まで遊んで!明日皆集まるんだらね?わかった!?」
僕はすみませんでした、と深く頭を下げてから彼女に手を振って、車が視界からいなくなるまで、そこに立っていた。
全てが稲妻が落ちて終った感じだった。
「やっぱ怒られるじゃん。」
(俺は一応ひとさまの子だからあんなくらいに済んだけどあいつは車の中で大分絞られてるだろなぁ…俺が悪い。)
空を見た。
月は円くて白く、僕を照らしていた。
あの日は君はいなかったよね。
僕は好きな人がいた。
付き合った人は前にいたけどあんな気持ちになった人は初めてだった。
僕はきっといろんな事の順番がめちゃくちゃなんだ。だから傷つけなくていい人を無理に傷付けて、悲しませるんだ。
僕は…弱虫で臆病な愚者なんだ、だからきっと。
その人はバイトの先輩で優しくて綺麗で、繊細なガラス細工みたいな人だった。
こんな感じの事を相談する事は僕はあまりなくて、でもどうしたら良いか分からないからよくバイト場の店長や先輩に相談に乗ってもらっていた。
二人には本当に色々教わった。仕事の事、人間関係や今の学校で僕がどう行い在るべきか、あんな存在は他になくて僕にとって大切な人達だった。
僕がそんな感じになるまでに色々な出来事があったけど結局は自分の気持ちを伝えたくなったわけで。
僕は待った。
雨の降る夜の公園で彼女がくるまで。
自分のキモチを自分の声で素直に伝えたかった。
もう嘘つく事で傷付く事から逃げるのは嫌だったから。
でも彼女は来なかった。
それはきっと彼女優しさの表れだったんだと思う。
でもそれでも待った。その日は彼女に会うまで待つってメールしたから。
月の無い漆黒の雨空が青紫の空になるまで。
結局彼女は来ないで、僕はタチの悪い風邪を連れて帰った。
その後のバイトで彼女と店長が辞める事を僕に店長が告げた。
僕は本当に馬鹿だ。その時に気づけよ、気づいてれば辞める彼に涙ぐむくらいに別れを告げる事無く、真実知ってあんなになる事なかった。
彼女と店長は付き合っていた。
それを知ったのは辞めた次の日だった。
僕は壊れた。
僕は彼にとってピエロだったんだ、上手い具合に踊らされていたんだ。
自分で自分を笑ったケラケラと泣きながら。
もう誰も信じられなくて、冷たく真っ暗のひとりだけの深海に沈んでいった。
ミンナシンジャエ…キエテナクナレバイインダ。
枕に顔を押し付けて自分の出せる限りの声で悲痛に叫んだ。
壊れた僕は後は腐るだけで、バイトをバックレてしばらく煙草とお酒がお友達になった。
腐るだけ腐って、僕はバイト辞め学業を適当に過ごす事で少しだけ回復していった。でも誰も好きにならなくていいと思った。
もう傷付くのは嫌だったから。
少しだけ時間が過ぎて就職するか進学悩んでいながら何も決まらず夏休みに入った。
前にあった事を思い出しながら帰路についていた。
家に帰ると母親がいてバラエティー番組を見ている。
「ただいま」
「おかえり、早かったね」
「全然早くねーだろ?」
「今日は帰ってこないかなぁって(笑)」
「アホ、つーかあっちの母親に怒らたよ。」
「なんで?」
「なんでって、こんな暗いになるまで遊んでたからに決まってるだろ?」
「へぇ~そんな事で怒ったんだぁ。」
「あのなぁ。まぁ俺が悪いから何も言えないけど、そういうもんでしょ?」
「でもその様子だとリュウが引き止めたわけじゃなんでしょ?」
「そりゃそうだけとさ…。」
「ならいいじゃん!明日が楽しみだぁ~。ハハハ(笑)」
(ダメだ完璧に楽しんでやがる。)
直ぐに自分の部屋に戻り着替えてからメールがきた。
「家着いた?」
「さっきついたよ。あの後大丈夫だった?」
「少し怒られたけど、大丈夫だよ。」
「本当?凄く怒ってた感じだったけど。」
「最初だけ色々言われたかな。でも私のお母さん一度言ったら長ったらしく言わない人だから。もう平気だよ。」
「そっかぁ、でもリョウの事心配したんだと思うよ。ごめんな。」
「リュウは悪くないよ。私が今度から気をつければいい事だから。そんな事より明日楽しみだね!」
「うん。でもお酒飲まされるだろうから、ちょっとね。」
「酔い潰れないでね。私が行くまで。」
「いつ来るの?」
「バイト終わってからだから夕方だと思う。それまで待っててね。」
「おう。」
それから床に着いてメールをしらがらいつの間にか眠りについた。
誰かが泣いている。
子供の泣き声。
「誰?」
雨が降っている。
視界に入るのはいっぱいの紫陽花が咲いて、振り返るとあの時のリョウがいた。
これは夢だ。
でも僕は涙が止まらなかった。
「ごめん…ごめんな。」
そう言いながら泣いている小さな彼女をそっと抱きしめた。
痛い。
彼女が僕から離れた。
お腹にナイフが刺さっている。
僕は膝が崩れた。
彼女が笑っている。もう一度彼女をみようと頭をあげるとそこには好きだったあの彼女がいる。
「なんで?」
「許す訳無いでしょ?あんたは一生ピエロで一生孤独なのよ。」
笑っている。
彼女は笑いながら僕にもう一度刺そうと腕を上げている。
僕はゆっくり瞼を閉じた。
雨が冷たい。
彼女が奇声をあげている。
(夢から覚めるのかな。)
眩しい。朝の陽射しがカーテンの隙間から顔に当たっている。
嫌な夢だった。
高い所から落ちる夢や、お化けに追いかけられるのは何度も見てるけど、あんなのは初めてだった。
しばらく天井を見ながら胸の辺りの変な感じを落ち着かせたくて、じっとしていた。
(今日また会うんだよな。刺されたりはないと思うけど、でもなんで今頃彼女が…言っていた事は少し合っていたのかな。)
なんて事を考えていたら、弟が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん朝だよ。」
「夜ではないな。」
「起きてるなんて珍しいね寝てないなんて。」
「失礼な奴だな。たまにはこんな朝もあるんだよ。」
「朝ご飯だから早くきてね。」
「はーい。」
窓辺に腰をかけまだ涼しい朝の空気を部屋に入れた。外を見ながら思った。
僕は誰かを求めているのかな。夢の中の彼女に言われた事は僕の一番冷たい所。
冷たいままで良いと思っていた。
でも今日は違う事を願っているんだ。そこが暖かくなることを…きっと。
朝はなんだかギターを弾きながら夏の朝を楽しんでいた。
昼を過ぎると慌ただしくなった。母親と弟は集まりの準備にかかっていて、僕はする事がなかったので家事をしていたらダチから連絡きて遊びに出かけた。
夕方になる頃、やっと仲間から解放された僕は皆が集まっている集会場みたいな小さな一戸建てに向かった。
携帯に母親から
「早く来な!皆待ってるよ。」
とだけ入っていて、もう始まってると思っていなかった僕は急いだ。
着いてみると、大人たちのドンチャン騒ぎの音が外にだだ漏れで「大分できあがってるかな」と思いながら戸を開けた。
「おぉ~主役の登場だぉ!」
「遅いよぉ!兄ちゃん!」
「久しぶり!元気してた?」
あれ?なんか多くない?
大きな縦長のテーブルを二つ縦に並べて大人と子供達が囲んでいる。
親の数だけ見て6世帯くらいの家族がいるのが分かった。
あまりの人の多さに呆気に取られた所に子供達が賑やかに新しくやってきた僕に賑やかに集まってきた。
「みんな待ってたんだよ!」
「早くぅこっちぃ!」
「お、おうごめんな。」
僕は子供達に引っ張られながら空いている所に座った。
「主役が来たとこで、乾杯すっぞぉー!」
そう言ったおじさんが音頭とった。
「カンパーイ!」
「カンパーイ!」
僕はこんなに人が集まっていると思わなかった。というより母親がこんなに集まる事を言っていなかったので勝手に少なく思っていたからびっくりした。
お酒が少し入っているのか台所で母親同士で爆笑している母親を見て(自分の親ながらスゲーな。)と思った。
「そっちいないでこっち来て飲めぇ~」
「ういっす。」
大人の中に入って僕も飲み始めた。
リョウはまだ来ていないみたいだった。
何を話しても、食べても飲んでも楽しくてしょうがなかった。
頬っぺたと腹筋が痛くなった。
飲みながら話をしていて分かったことがあった。
この集まり始めにやろうと言ったのが音頭をとっていたおじさんだったという事だった。
母親が僕が帰郷する事を回覧番を渡しに行く際に話して僕が帰ってくるならその休みの間にやろう、という事になったらしい。
僕は自分きっかけでこんな集まりができたなんて言われたら、なんて反応していいか分かんなくてただ僕は「皆さん本当にありがとうごさいます。」と言っていた。
と言う事しか出来なかったでも、なんでだろ。
胸が暖かくなっていた。
しばらくして日が沈みかけていた頃に彼女が家族と一緒にやってきた。
その頃には食べ物や飲み物が大分無くなっていてバイト帰りで空腹だと思ったけどでも彼女は残ったフルーツを「私はこれ好きだから大丈夫。」といいながら美味しそうに食べていた。
僕はそんな感じに空気を読める彼女を見てなんだか笑みが出た。
その後彼女が台所で自分の母親達とつまみなのか料理をしている時に僕は彼女の母親に昨日の事を謝った。
「昨日はすみませんでした。」
「以後注意。今度から気をつけてね。」
と簡潔に言われた。なんだかやっぱり緊張するのはなんだろな…でもこれでつっかえていた何かは無くなったと思えた。
それから少しの間彼女の弟に「お姉ちゃんと何していたんだぁ?」と言われながら頬っぺたを引っ張られながらたじろいでいた。
彼女が台所から戻る帰ってきたと同時に、彼女の父親が早めに帰ると言って先に帰って行った。すると彼女が僕の隣に座って
「リュウ飲もうよ。」
「おう。」
と言って僕はまた飲み始めた。
彼女はジュースで僕はアルコールで。
酔ったおじさん達ほど大変な人は無く、それなりに発育が終った彼女にちょっかいを出しそうになるので僕はさりげなく守りながら飲んでいると一つ気づいた。
(距離が近いよぉぉ。)
(これは隣にいるんじゃない。寄り添ってるて言うだよ。)
(ヤバイ。この距離はまずいって。)
(つーか周りに誰も居なくなつてるし。変なとこで気使ってのか……俺の体つっつくなって。)
(でも……何か別にいいや。)
って感じに酔っていった。
僕は素直に今日の事を彼女に話した。
「俺さ嬉しいよ。」
「今日の事?」
「うん。だって俺が帰ってきたってだけでこんなに人が集まって、実際俺はきっかけに過ぎないと思うけどそれでも、皆で美味しい物食べて飲んで、皆笑って。…リョウにも会えて。俺はこんな絆に気づけた事が本当に幸せだよ。」
「…私もリュウと一緒に居られて幸せだよ。」
「…なんかいいよな。」
「…うん。」