3月18日

仕事をしていてもうすぐ昼休憩になる11時頃だったと思います。

病院からの電話は至急病院に来てほしいとのことでした。

急いで一回家に帰りお風呂に入ったりと用意を済ませ、また兄貴と合流して病院に向かいました。

お互いほとんど会話はしてなかったと思うけど、嫌な予感は僕も兄貴も感じていました。

病院に着いて、おふくろの病室ではなく別の会議室的な部屋に僕と兄貴は呼ばれました。

そこには先生と看護婦さんがいて、今のおふくろの状況を説明されました。

「今、お母さんはとても苦しい状態です。今のまま何もしないといつ亡くなってもおかしくない状態です。」

こんな風に言われたと思います。

自力でまともに呼吸が出来ていないらしかったです。

そして

「今のままじゃ、ただ苦しんで、いつ最後の時を迎えるかわからない状況です。」

意識が戻る可能性は正直かなり低いけど、人工呼吸器で延命をするか、

それともモルヒネを投与して最後の時を安らかに楽な状態で行かせてあげるか」

どちらかを選んでくださいと言われました。

もちろんすぐに答えなんか出せないけど、でも時間がないのもわかっていました。

僕と兄貴は二人で話し合いました。

時には喧嘩口調になりながら話し合いました。

意識が戻るのは絶望的なのに機械に繋げて無理やりにでも延命するか、逆に絶望的と言っても可能性は0ではないのにモルヒネを投与するか。

モルヒネはとても強い薬みたいで、楽にしてあげることはできるけど、体への負担が強いので何日もは体がもたないのです。

ようは安楽死的なことです。

僕と兄貴じゃ話し合いがうまくいくはずもありません。

なので、おふくろならなんて言うか、おふくろなら何を望むかを考えました。

おふくろは優しいけど、とても気丈な人で自分の弱いとこを僕と兄貴には絶対に見せない人でした。

病院に面会に行っても体調が悪い時は「今日はもう帰りなさい」というような人です。

僕は帰ったふりをして、病室の外から苦しんで、必死に生きようと頑張ってるおふくろの様子をしばらく見てから帰ることもよくありました。

僕は毎日泣きながら車を運転して帰ってました。

そんなおふくろです。

とてもじゃないけど、機械につないでも延命したいとは絶対言わないと思いました。

そこは兄貴も同じ気持ちでした。

そして、僕と兄貴はモルヒネを投与することの同意書にサインしたのです。

今もそれが正しかったのかはわかりません。