おふくろは僕が19歳の時、仕事場で倒れて検査をしたところ、急性骨髄性白血病とわかりました。
抗がん剤治療を続けて副作用で髪の毛もなくなり、とても辛そうだったんですけど、幸いドナーが見つかり骨髄移植を受けて、とりあえずは成功しました。
でも、五年生存率が確か50パーセント前後だった気がします。
その手紙が来たときは確か五年半から六年ぐらいたっていた時でした。
手紙は再発してしまいました、という内容でした。
元々再発すると生存率が一気に下がると言われていたのでもう頭が真っ白です。
刑務所にいる僕はすぐに電話をすることなんかもちろんできるはずもなく、手紙も出す日が決められているので、何もできない自分に物凄い憤りを感じました。
次のおふくろからの手紙には
「先生の話しだと、たぶんあんたが帰ってくるまで持たないと思う!ごめんね!」
と、抗がん剤の副作用で震えた手でそう書いてありました。
手紙のところどころが濡れてしおしおになってるところがあったのは多分泣きながら書いていたんだと思います。
元々地獄のような刑務所生活が本当の意味での地獄の毎日になりました。