僕は君を知っていた | shiro's nest

僕は君を知っていた

ビルの形をした墓標には

形の悪い耳をした兵隊達が理屈で踊る


遠い目をした少年が教えてくれた

遠い国から来た少年が見つけてくれた


少年は杏が好きだと言って

僕も少年もニッコリ笑う


僕の好きなものはなんだろう?


理屈は難しくて

食べられなくて

固くて

カチカチしてた



不意な吐き気 眩暈と寒気

吐き出した“それ”を

思いきり蹴っ飛ばして

なんだか とても軽い



理由 理屈 根拠 概念



バイバイをするのは怖いけど

それ自体は食べられない 美味しくない


そう


好きじゃないんだ



スーパーに走り出す

ワイシャツとジャージで走り出す

手にした“それ”は輝いていて

僕が愛を告げると


小さな声で おかえりをくれたんだ


少年は教えてくれた

走るために 走る人は不幸だと

愛するなにかのために走ることは
どうしようもなく世界を美しくするのだと



しろ