著者は明治学院大学教授の巌谷国士である。先生には失礼であるが、政治学でも歴史学でもないため、リラックスせずに読むことができた。私はロシア革命との関連からロシア・アヴァンギャルドや19世紀末から20世紀初頭のある種のデカダンス的雰囲気やそのあとの前衛的な芸術にこれまで関心を持ってきたが、今回のシュルレアリスムはより広い新たな世界観を提供してくれた。ユーラシアの西と東のフランスとソヴィエトでかくも離れているにも関わらず、当時の人間が感じ取っていたものの共通性はただただ驚くばかりである。

 ちなみに2月9日より国立新美術館で開催されるシュルレアリスム展も楽しみにしているのは言うまでもない。