中国第6世代の一人と言われるリー・ユーの作品。主演は今話題のファン・ビンビンだ。
マッサージ店で働くピングォが同僚の解雇をめぐり深酒をし、居眠りしたところから物語が動き出す。五輪を前に発展する北京の街で消費されていく人々が冒頭では強調される。
強欲が支配する地で、人々の関係が壊れていく様子を監督は、ピングォの夫 アンクンに収斂させる。我が子を犠牲にしてまで、10万元を手にしようとする夫。出産後の廊下での心変わりの表情、金を積む死んだ目、それでいてしあわせな家庭への嫉妬。金では満たされないと分かりながらも、金に踊らされる。
結局のところ一番可愛そうだったのは、マッサージ屋のリンドンなのではと思ってしまった。

ジャジャンクーの「罪のざわめき」のおよそ7年前にこんな作品が出ていたとは。