はぁはぁはぁ・・・

僕は、陸橋の袂に逃げ込んだ。

遠くでは、パトカーのサイレンが鳴っている。

9月も終わると言うのに汗が吹き出して止まらない。

僕はハイライトに火を点けた。

   ふぅ・・・


今から2時間程前だろうか・・

僕は仕事をしていた。

僕の仕事は、闇金融の取立てだった。

先輩からの電話で僕は呼び出された。

時間も遅かったせいもあり、僕はだいぶ酔っ払っていた。

そして先輩と落ち合い、取立て先のスナックの扉を開けた。

お世辞でも繁盛している様ではなかった。

中には50歳位だろうか、マスターらしき男と同じ年のころの女が居た。

「いらっしゃ・・・」

女は僕達の姿を見ると言葉を閉ざした。眼は怯えきっていた。

マスターらしき男に先輩が

「おぉ!?どうするんなら?首くくって保険金で返済するか?わりゃぁ・・」

と冷めた眼で詰め寄った。

マスターらしき男は体を震わせ何度も床に頭をこすり付けていた。

先輩が僕に振り向きこう言った。

「おい・・こんならやったれや。ちぃと性根いれたれーや。」

僕は黙って頷くと土下座する男に近寄った。

そのマスターらしき男は目を潤ませ、言葉にならない声で僕に助けを求めている。

僕はマスターの髪を掴み、こう言った。

「なさけないのう・・おっちゃん・・」

そういって思いっきり顔を殴った。

        ~つづく~