僕は人を傷つけると言う行為に全く抵抗がなかった。

抵抗が無いというより、感覚が麻痺していたと言う方が正しいだろう。

2分ほど殴り続けるとマスターらしき男はグッタリとして

床に崩れ落ちた。

女が駆け寄り(あなた・あなた)と叫んでいる。

僕が更に殴りつけようとすると先輩が僕の頭をたたき

「ばか!やりすぎじゃ!ヤバイで!」

と叫んだ。すると同時に女が電話を取り

「助けて!ウチの人が殺される!早くきて!」

と恐らく警察に叫んでいた。先輩が

「おい!逃げるで!はよう逃げや!」

と言いながら店から飛び出して行った。

僕は我に帰り体の震えを感じながら西も東も解らず

全速力で走った。とにかく今までに無いくらいの

速さで走ったんだ。

   ・
   ・
   ・
僕はタバコをふかしながら考えていた。

さぁこれからどうしようか・・・

ここから動けば警察に見つかるし

もう少しまてば出勤ラッシュに重なるから

その人並みにまぎれようか・・・

その時は、人を傷つけた事に全く痛みを感じていなかったんだ。

  ~つづく~