ガラスを割れ―ラビリンス―15(終) | じゅりれなよ永遠に

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じゅりれな・坂道小説書いてます。

友梨奈に告白した梨加は

話を続ける。

 

「貴方は優しい人を

演じていると言っていましたが

本当に優しい人です。

私にはわかります。

だから、私の側にいて下さい。

お願いします。」

 

「ありがとう。梨加・・・

本当は自分にはない感情を求めて

梨加とつき合ってみようかと

考えたこともあったんだけど

やっぱり私は私だって気づいたの。

だから、私は梨加の側にはいられないの。

ごめんね。」

 

その言葉に梨加の目からは涙が流れてきた。

 

「そうですよね・・・ごめんなさい。

いきなり変なこと言って

最後にお願いがあるんです。

思い出をくれませんか・・・」

 

梨加は目を閉じた。

 

友梨奈は優しく唇を重ね合わす。

 

「梨加、ありがとう。弟さんと幸せにね。」

 

友梨奈は去って行ったのだ。

 

友梨奈は錦戸たちと殺しあったことで

本来の自分を取り戻し

松井玲奈の存在に動揺し

迷宮に落ちた心を

修復することに成功したのだ。

 

命のやり取りをしている自分が

本当の自分で

他人がどうであろうと

そんなのは関係ないと

割り切ることができたのだ。

 

だから、錦戸達に会わせてくれた

梨加に感謝しているのであった。

 

 

翌日、事務所に出勤した友梨奈は

井ノ原から声をかけられる。

 

「なんか、何時もの平手にもどったな。」

 

「え??わかるんですか?」

 

「なんとなくだけどね。

丁度よかったよ。

そのうち、先生から

重要な案件があるから

今のお前なら大丈夫そうだな。」

 

「それは楽しみですね。」

 

友梨奈は笑みを浮かべるのであった。

 

平手友梨奈・・・

 

命のやり取りで生きていることを感じる女。

 

そして、その運命を握る女“松井玲奈”

 

 

そう遠くない未来に

二人が再会することになるのである

 

to be continued