「あなた本当に“wall flower”みたいね」。そういったのは無精ひげが似合うイギリス人の中学校時代の先生です。まだ私が英国に移住し間もないころでしたが、その頃はクラスで皆が手をあげる中、それを角でひっそり見守っている私をみて「壁にひっそりと生えている一凛の花」のようだと、まだ幼い私をそう呼んだのでした。私にとって当時は非常に心に刺さる一言でした。

 

私が日本から英国に言った時に感じたギャップは「自己表現力」の違いです。クラスにいっても英国では一斉に、仮に間違っていたとしても手をあげます。社会に出ても、周りに自分の意見を積極的に言わなければ、理解してくれない。意見がなければそこにいないものと同義で、時に「悔しい思い」をする事も多かったです。

 

英国では教育の中で話す訓練を義務教育の中で養い、国民一人一人が明確に自分の意見を持つことによって「民主主義を健全に発展させるための基盤」と考えられています。英国ではそれを基に多様性を確保することに重点を置いていれています。逆に日本の教育では表現力育成を避けていた経過があります。理由はテスト主義がまだ根強く、「言語力や表現力は客観的な指標ではない」からです。

 

こうした表現力の違いが日本の医療にどう影響しているのか、また書きたいと思います。