くどいかもしれませんが、日本は個々の医療レベルは平均的に高いですが、パンデミックにおいては医療施設の「機能分担が明確でない」ことが課題です。

本来であればパンデミックは医療全体で取り組むことが理想なのですが、プライマリケアや民間医療病院の最適な活用ができていません。

 

その根拠として、日本の人口対比の病床数はOECDの先進国の中で突出しているのにも関わらず、ピーク時に医療現場がかなり逼迫したことです。日経新聞の調べでは、日本のピーク時の感染者数は人口10万人当たり2.9人であり、他の先進国と比べ極めて少ないです(米国66人、英国57人、イタリア65人、ドイツ48人)。

 

ではなぜ逼迫するのか。それは日本は多くの病床はあっても、適切な機能分担と病床の有効活用ができていないからです。日本では疑い症例を含めパンデミックの診療を担うことがない診療所や中規模病院も多くあります。つまりCOVID-19などの大規模感染において、日本ではいくつかの少数の感染症指定医療機関や大学病院が大きな負担を抱える構造となっています。

 

一方で、保健所には連日多くの問い合わせが相次ぎ、電話もつながりにくい状況になることもありました。5月4日に厚労省の検査基準から「37.5℃以上の発熱4日以上」が削除されてからは、「だるさ」「疲れ」「微熱」など不安を訴える人からの電話が後を絶たなく、一時は電話がつながらない事態にも発展しました。しかし、大規模なパンデミックを想定していない保健所に対して、問い合わせを一斉にトリアージ・適切な判断をすることには無理があります。検査の適応を満たさない患者において、「保健所が責任を取るのか」とご立腹される方もいましたが、保健所は既に手一杯なのです。

 

冬の第2、第3波を予測し、病床や診療所での「適切な機能分担」が求められます。