「なぜ日本はこんなに新型コロナウイルス感染症の感染者数や死者数が少ないんだ?」

最近こんな興味深い質問を英国での研修医時代の同僚(イギリス人)からされました。 

 

その彼によると、日本政府は英国などと比較し、大規模な検査や施策を打ち出していないにもかかわらず、感染対策は比較的うまくいっている印象があったようです。ちなみに海外のメディアではなんと今回の日本のCOVID-19対策はやや皮肉が漂うよう「日本の奇跡」、

「日本の謎」と呼ばれているそうです。

                                                                        

しかし日本のコロナ対策の実際はどうなのでしょうか……

例えば日本の人口当たりの死者数は欧米諸国と比較して明らかに低いですし、適切に早い段階からの「3密」を回避するよう呼びかけたことなど、もっと海外から評価されてもおかしくはないと感じます。。。しかしながら日本は韓国の防疫体制のように日本の講じた対策は「世界のモデル」として称賛されることはほとんどありません。それどころか、日本のCOVID-19対策は、たまたまうまくいった「結果オーライ!」とみなされていることも多いように感じます。

 

では海外ではなく「日本国内の政府へのコロナ対策における評価は高いのでは?」というと実はそうでもありません。

国民の評価を国別で比較したある研究によると、先進国14か国ではわずか平均27%が自国の政府のコロナ対策の評価は良くなかったと解答しています。しかしその14か国のなかで日本、アメリカ、英国、スペインに限ってはほぼ半数がコロナ対策は良くなかったと答えており比較的ネガティブな国民の評価が多いです。一方日本だけがこの4か国の中コロナウイルスの死亡数はけた違いに低い(日本:1319人、アメリカ191058人、英国41527人、スペイン29234人)国です。

 

つまり日本は「結果が良好にも関わらず、政府への国民の評価が過度に低い」事を示しています。

 

私自身日本人として国内のみならず海外でももっと評価されてほしいと感じますが、こういった評価の裏には過剰評価しない国民性だけでない、

「医療政策決定における課題」があるのでは?と感じてます。これを次の記事から是非皆さんと掘り下げてみようかと思います!

 

 

1.   https://www.pewresearch.org/global/2020/08/27/most-approve-of-national-response-to-covid-19-in-14-advanced-economies/