風邪薬は時に「危険な副作用」も

 

 

風邪の薬は「比較的副作用が少ない薬」ではありますが、時に「思いがけない副作用」に遭遇することもあります。

 

特に高齢患者の抗ヒスタミン剤による急性尿閉(薬の影響で排尿できなくなる状態)や急性閉塞隅角緑内障(緑内障でも痛みを伴った眼圧の上昇)などの症状は、私も臨床現場で少なからず診ています。

 

鎮咳薬として使われているコデインには呼吸抑制、過鎮静などの副作用があり、特に12歳以下の患者には使わないことをお勧めします。

 

またコデインの大量摂取は「薬物依存のリスク」にもなり得ます。

 

国立精神・神経医療研究センターの研究によると、日本の薬物依存の治療を受けている10代の患者のうち約40%は、依存のきっかけが違法薬物ではなく、コデインなどの市販薬の大量摂取であったとの報告もあります。

使うにしてもできるだけ短期間で必要時に服用する事お勧めします。

 

もし、ほとんどの風邪の薬の効果が「良くてもグレー」であれば、皆さんは上記の様な副作用の可能性を許容できるでしょうか?

 

少なくても欧米では、風邪に多剤処方を積極的に勧めていませんが、最終的には「患者さん個人の価値観と判断」に委ねると私は思います。

 

しかしながら、正しい薬の医療情報なしでは、患者さんも正しい選択はできません。

 

 

→次の記事へ続く