いむねく
その布を身につければたちまちに出世したそうです。
くじを引けば大当たりを出し、宝くじを買えば一等を引き当てたそうです。
いまから12年前、その布を手に入れた男は身につけて仕事に行ったそうです。
ところがどうでしょう。
就職して3ヶ月で「物覚えが悪いからこのままじゃ給料をpayできないの」と当時の部長にクビになりそうになり。
それから3ヶ月後には望まない部署への配置転換をされそうになり。
その布を身に着けて行った日に限ってそんな不幸な目に合うのでした。
男は決心しました。
こんな不幸ばかり呼び込むネクタイは封印してもう着けて行かないぞ、と。
いむねく。
忌むべきネクタイ。
それからはタンスの片隅にひっそりと、来る日も来る日もぶら下がり続けました。
ところが長い年月が、ネクタイを構成するドロドロと暗鬱で陰鬱で鬱屈した不幸をキラキラと輝く光福で幸福で幸運へと変質させていったのです。
12年振りに男はネクタイを着けました。
仕事の帰りに宝くじの当選確認をし、ガラガラくじを引きました。
参考資料①
参考資料②
そんな簡単に幸運が舞い込むか!
でもこれ着けて1日、嫌なことも無いので除災できたのでしょう。
そんなネクタイがこちら