私が入学した中学校は、新興住宅地にできた割と新しめの学校だった。

部活動も、小学生の時にやっていたバレーボールを選んだけど、2年生の先輩が数名いるのみ。そして何を思ったのか、先生が「1年生のみでチームを作る」なんて言っちゃったから、先輩方は面白くありません。

体育館裏ではなかったけど、私ともう一人が放課後に呼び出されて「生意気なんだよ」とか「調子のるな」的なことを言われたけど、ハッキリは覚えてなくて、遠くに不良っぽい男の先輩が見えたらなんでだか話が終わった。

もう一人の子は泣いていたけど、私は「あの先輩がマンガみたいに助けてくれたらいいのに」なんてことを考えていたし、家に帰っても「こんなことあってさー」とサラリと話した気がする。

でもね。その呼び出した先輩の中に、子供のころ同じ団地に住んでて一緒に遊んでお風呂とかも入ったお姉ちゃんがいたんだよね。何年か前に引っ越してしまっていたけど「人は変わってしまうのかな」と思ったし、やっぱり悲しかったんだなって思う。

ちょっとカッコつけて何でもないふりして、自分に嘘つき始めた始まりだった。「悲しい。どうして?お姉ちゃん」って心の中でも言えたら良かったのにね。
大学生のお兄さんやお姉さんと、さつまいも掘りに行くイベントに参加した。

先生でもお父さんお母さんでもない、親戚のおじさんおばさんでもない大人と遊んでもらったって記憶は、ふんわり楽しくて、そしてお兄さんに可愛いって思われたいって乙女ごころが芽生えたな。

ちょっと可愛い子ぶる。今で言うと「ブってる」

先日の娘の三者面談。思っていたよりイケメンの先生に、早速「ブってた」らしい。
私は、家出をしたことがある。

正確には、引っ越してしまった友達の家へ黙って出掛けて行ったのだが、ハタから見ると完全に家出である。

確かお昼過ぎ、遅くてもおやつの頃だったと思うが、何かお母さんとのやりとりがあったのかな。電車でいうと3駅くらい先に引っ越してしまった友達の家に、私は遊びに行きたかった。ただ何度も頼んだけど、相手にされない雰囲気だったので、突然歩き出した。

なんとなくの方向
なんとなくのマンモスマンションの名前
部屋番号は知っている

何の疑いもなく、ひたすら歩く。かなりの急坂も踏み切りも越えて歩く。知らない人に道も聞いた。だんだん夕焼けが広がってきて、でも絶対に着くの確信のみ。

不思議なことに

お母さんに怒られる とか
黙って出てきちゃった とか一切思わず

ただ歩くだけの時間。ついに着いた!

「ピンポーン」

友達のお母さんの驚いた顔だけ。久しぶりに会えて遊べて楽しかったなんてことは、なかった。

この事について、母と話したことがないと気がついた。後から悪いことをしたと思い、触れないことにしていたのかもしれない。母は、どんな気持ちだったんだろう?今度、聞いてみよう。
私は、完全にこころのままに「今」の瞬間にしかいなかったねぇ。