ある日の午後、事務所の電話が鳴る。

「電話帳で調べたら近所なのでかけたんですけど…」
話し方の上品なおじいちゃんである。

「何でも運んでくれるんでしょうか?動物なんかも…?」

引っ越し時の犬や猫はもとより、大学病院行きの実験用の大量の鼠や猿、巨大水槽に入った魚など動物を運ぶ依頼は少なくない。

さてこのじいちゃん、何をどこまで運びたいんだ?

「犬です」

「大きさはどれくらいですか?」

「中くらいです」

「ケージに入ってますか?」

「いえ…
あの、死んでるんで…」

あまり驚かない私もさすがに数秒間絶句した。

聞けばその犬、じいちゃんの飼い犬ですらないという。

前日の夜迷い込んで来て玄関先に横たわっていたという。

弱っている様子だったので水と食べ物を与えるとそのまま眠り、朝には冷たくなっていたそうだ。

じいちゃんはかわいそうだが埋めてやる庭もないので市の処分場まで連れて行って欲しいという。

要らない毛布でくるんであるらしい。

犬好きの私はこの優しいじいちゃんに心打たれ、すぐに車を手配し格安でわんこを運ばせて頂きました。
色々な物を運んでいる。

全国あちこちに出没している。

運転手の時もあれば内勤の時もあった。

面白かった事、腹が立った事、思いつくまま書いてみます。