池田に身も心も捧げた高橋栄の場合

 

 旧姓・藤田栄。聖教文庫制作局出身で、熱烈な池田狂。花の女子部長も経験した。池田に、身も心も捧げた彼女は、女子部時代から一貫して「結婚しない」と公言していた。


 夫は高橋英明。第一庶務に勤務していた。英明は学生時代から栄にベタ惚れで、何度となく交際を申し込むのだが、栄に「今はそんな時期じゃないと思います」とかわされて、相手にされなかった。にもかかわらず栄が英明の求婚を受けたのは、栄の両親に会ってまでの池田の一言があったからだ。結婚式の当日、集まった女子部幹部たちは「これで栄さんが女子部からいなくなる」と涙を流す光景が見られた。花嫁自身も、ちっとも嬉しそうな顔をしていなかった。


 栄は女子部時代、第一庶務も兼務して、池田のそばから離れなかった。池田が「サカエ!」と呼ぶと、すぐに駆けつけ、用を果たす。女側小姓そのもの。やがては、池田の代わりに聖教新聞の記事を栄がチェックした。「池田先生に近い」ということで周りの職員に恐れられ、本部職員も栄には頭が上がらなかった。現在、栄は婦人部書記長。今の婦人部長。坂口幾代の次の婦人部長間違いなし、といわれる。


 英明は第一庶務兼任のSGI欧州書記長。日本とフランスの間を行ったり来たりの日々だが、日本を離れている間、妻の行状がさぞかし気懸かりなことだろう。

『スキャンダル・ウォッチング』87頁