おはようございます！

着物所作講師の布施ひとみです。

５月いっぱいは、汗だくになりつつも

袷（あわせ）の洗える着物で過ごして

６月になったので、

単衣（ひとえ）の着物に切り替えました

着替え中は、心の中で

襦袢まで着て、この上に着物をさらに着るのか・・・

暑いよな〜と思いつつも

着物を着たいという欲が勝って着たのですよ。

そしたら、

単のなんと、なんと、快適なこと

着る前に想像していたよりも遥かに涼しい

着物歴の長い先輩方から聞いてはいたけれど、

自分で体感できないと信じられない部分もあったので驚きでした‼️

夏着物は、暑い季節に合わせて風通しの良い素材でできていますから

もう少し快適になりそうです

きっと、襦袢や下着類も夏用の素材のものに変えたらもっと快適ですね

持ってないからどのくらい涼しさが増すかは

今のところ想像にとどめまして

今日は、「着物でできる夏バテ対策」のお話デス。

ジメジメした日本の夏。

着物の方が快適ですよという前に

洋服生活と着物生活での体感や体温の状態を振り返ってみようと思います。

（私の個人的な主観です）

洋服生活をしていた頃

私の勤め先は、「お薬さま優先」の現場でしたから

お薬が、高温多湿になって溶けたり、

品質が悪くなったりしないように

冷房は、一年中かかっていまして

大体、23度前後にキープされていました。

動いていれば気にならないのですが

定位置での仕事時間が長かったので

夏でも寒くて、長袖を羽織って耐えてました。

その寒さから脱出して、外気に晒された時

「ああ、あったかくて心地よい」などと、

一時的に感じてしまうくらい

からだが芯まで冷えていました。

あと、外出時も紫外線対策のため長袖でしたが

汗が服と肌の間で蒸発して、蒸れて暑いので、

せっかくの長袖を腕まくりしてましたね。

しばらく外にいれば

からだの表面温度だけ上がります。

けれど、身体の芯は冷えたままですから

汗をかいて風に当たると、心地よいどころか

寒気を感じる悪循環に陥っていました。

身体の内側が冷えていれば、

気合い入れて内臓を死守しないと生命に関わりますからね。

内臓という城内を守るために必死で

お肌という防壁に鳥肌を立てさせてでも

熱を身体から逃さないように働くようになるようです。

こういう状態になった身体であっても

暑い環境では、体表の温度が高くなりすぎないように

たくさん汗をかくようになります。

汗が出る汗腺のコントロールをするにもエネルギーが必要ですが

気（エネルギー）が内臓の機能維持に優先的に使われることで

汗腺の制御機能は、ゆるゆるに弱まります。

汗腺の防壁としての働きも

優先順位は低いために、気は回せないのです・・・

それゆえに、外敵が侵入しやすくなることで

肌が炎症を起こしやすかったり、

身体に留めておきたいミネラルが

汗とともに必要以上に出ていきやすい体質になりました。

からだが正常に動くために必要な

ミネラルが失われたら

だるさを感じて動きたくなくなります。

暑い環境で汗をかく＝必要なものが失われやすくなる

と、からだが無意識で記憶しますから

外出も億劫になりました。

こんな状態のからだでしたから

着物を着るようになった当初は、

夏場は、暑苦しそうで着たくないと思っていました。

それがどうでしょう、

冬から春、そして夏と毎日着物を着ていたら

暖房も冷房も使っていない自分がいたのです。

体温調節は、自力でするもの、

自力でできるものなんだなと

今更でしょ？と思われるような

当たり前のことに気がつきました。

当たり前のことができなくなっていた過去の身体の

生命力の低さに身をすくめましたね。

夏バテしやすいのも

着物が暑く感じたのも

洋服生活に慣れた私のからだが

体温調節がへたっぴになっていたからだったわけです・・・

洋服と比較すると、着物は、

胴周りは布もたくさん巻かれますし

帯も締めるので、当然暑くなりますが

足と腕は、汗で蒸れることで体感温度が上がっても

着物の構造のおかげで、

空気をパタパタと入れ替えることができます。

脇が空いてますから、風がスーッと通って

心地よいのです。

脇汗がしっかりからだを冷やしてくれます。

脇の匂いも籠らず気になりません。

それから、

胴回りが冷えないので基礎体温が上がります。

身体に気が満ちて、

お肌の汗腺の防壁機能もしっかり働きますから

汗とミネラルを無駄に垂れ流すことがなくなります。

着物は1000年以上も着続けられてきました。

鎖国状態が長かったおかげもあるでしょう。

戦後以降、洋服文化が主になった現代では、

残念ながら、着物は、晴れ舞台や、

お洒落のためだけに着るものだと

誤認されやすい傾向にあります。

私が毎日のように着物を着るようになって

体感して思うのは、

着物は、日本の気候に合わせ

日本人のからだを守るために

生み出された衣服であるということです。

体温調節がうまくできるようになったおかげで

室内と室外の温度差で感じるからだの怠さがなくなりました。

この感覚を例えるなら、

お風呂に入って湯船に浸かる時

からだが冷えているほど、お湯は暑く感じるけれど

からだが温まってくることで、暑さが平気になっていく感じと似ています。

着物を着て暑くはなるけれど、温泉に入っている時のような

心地よい暖かさに包まれるのです。

茹る前に適度に頭や首を冷やしたり、

水分補給をして過ごせば気持ち悪くなることはないんです。

かといって、

クーラーのきかせすぎや、アイスやジュースなどの

砂糖たっぷりの冷たいものを摂っていると

胃が冷えて働きたくても、凍えて動けません。

だから、食欲がなくなります。

また、腸が冷えれば、下痢をしやすくなります。

そうなれば、からだは十分な栄養を摂れなくて、疲れやすく

だるさが抜けない夏を過ごすことになるわけです。

着物に頼って普段から基礎体温をあげておけば、

暑さにも強くなっていくので

夏バテも、胃腸疲れもしにくい身体になって

夏を乗り切れるようになります

今日のお伝えしたいことは書ききりました！！

しかし、少し長くなってしまいました・・・

ここまで読んでくださり、ありがとうございます！

自分は使いたくなくても、職場や学校では

ガンガン、クーラーを使い始める季節に入りました。

お体ご自愛くださいね

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