エービーマンです。
エービーマンの会社は、マニラから離れています。
良い意味で労働力には事欠きません。
どんどん働き手が入ってきます。
しかし、スタッフを募集すると状況は一変します。
良い人材と巡り会うには相応の根気を必要とします。
良い人材と巡り会っても、引き留めておけるかも問題です。
都市部に比べて賃金が安いですからね。
それに、会社の規模がそこそこなので、
裁量による給与の決定が出来ません。
小さい規模であれば、出来るヤツにはそれなりに給料を払えますが、
ウチくらいの規模だと、やはり規定に沿わなければなりません。
そうすると、着実に昇格昇進してもらわないといけない。
みんな、待ってられないのですね。
結局、良い人材が入ってきても、流出しやすいのです。
フィリピンはアメリカナイズされていると思い込んでて、
駐在する前は、
・実力、結果主義である
・転職を繰り返し、キャリアアップしていく
のがフィリピン流であろうと理解していたんですが、
実際は全く別で大変驚きました。
・学歴・階級社会
・年功序列
です。
会社の中でも、
4年制/5年制大学を卒業した人は、
次に昇格できるポジションがAsst. Headなどの「職制」となりますが、
2年制の卒業者などは、昇格も基準が違って一苦労です。
そして、将来到達できるポジションも制限されています。
日本も学歴社会だったり年功序列社会だったりしたわけですが、
それでも、最終的には実力と結果で評価されて、
事例は少ないにしても「下剋上」に近いことは有り得ました。
しかし、フィリピンは「下剋上」は非常に難しい。
良いのか悪いのか、部下達はエービーマンに実力を評価されます。
だって、会社の人事評価のシートも実力評価になっているんですよ。
だから当然、デキるヤツが評価が高く、昇格の対象となります。
結果、下剋上が起き始めました。
これがまた厄介。
一応、追い越される「上」に了解を取った上での人事なんですが、
若い上司は先輩である部下にモノが言えない。
で、その先輩である部下が管轄すべき仕事を、若い上司がやっちゃう。
若い上司がやっちゃうので、先輩である部下は自分の仕事が出来ない。
ギクシャクしてます。
社会的に、シニアに指図するというのは大変難しい、みたいです。
しかし、そんなことだから、いつまで経ってもダメなんだよなぁ。
発展途上国の特徴として、数年で世代が大きく変わる気がするんです。
国の発展と共に、日進月歩で外国から新しいモノが入ってくる。
日本も日進月歩だけど、多くの国民がそれについていける。
日本の場合は先進国で、まして技術の大半は日本発だったりもします。
でもフィリピンの場合は、まだまだ外国からの流入が多い。
国の発展と共に、教育の場も変わってきているはずです。
根幹は変わらないにしても、
今まで学校にはなかったので教科書でしか勉強しなかったコトが、
今は学校に備わったりしている。
パソコンが良い例だと思います。
なので、我が社に入ってくる人材も、年を追う毎に賢くなっています。
そうなると、30代のフィリピン人とかは一世代前の人となる。
それでも日々勉強して追いつける人は良い。
40代になってくると、ついて来れない人が出てきます。
エービーマンからすると、二世代前、あるいは、三世代前に思えます。
この人たちが厄介です。
昔はその程度でも「デキル人」だったんです。
みんなからそう評価されていた。
だから今要職に就いている。
でも、後からどんどん入ってくる部下の方が、知識も豊富で仕事も早い。
でも、その古い世代の上司達は、ついていけない。
当然、部下が言うことを聞かなくなる。
それじゃまずいので、何とかして自分の力を誇張して見せようとする。
そこで、おかしな行動に出て、余計に部下の信頼を失う。
そのパターンを数多く見てきました。
目上の人に敬意を払うのは重要なことですが、
それは人生の先輩として敬意を払うべきであって、
仕事は別だよ。。。
まだその考えはフィリピン社会では受け入れられないですね。。。
エービーマンでした。