下剋上 | フィリピンでマネージャーやってました、が再び。。。

フィリピンでマネージャーやってました、が再び。。。

~泣き笑いつれづれ日記~
2020年10月から2度目のフィリピン駐在となりました。
駐在生活でのアレコレを綴っています。

エービーマンです。



エービーマンの会社は、マニラから離れています。

良い意味で労働力には事欠きません。

どんどん働き手が入ってきます。

しかし、スタッフを募集すると状況は一変します。

良い人材と巡り会うには相応の根気を必要とします。

良い人材と巡り会っても、引き留めておけるかも問題です。

都市部に比べて賃金が安いですからね。

それに、会社の規模がそこそこなので、

裁量による給与の決定が出来ません。

小さい規模であれば、出来るヤツにはそれなりに給料を払えますが、

ウチくらいの規模だと、やはり規定に沿わなければなりません。

そうすると、着実に昇格昇進してもらわないといけない。

みんな、待ってられないのですね。

結局、良い人材が入ってきても、流出しやすいのです。



フィリピンはアメリカナイズされていると思い込んでて、

駐在する前は、

・実力、結果主義である

・転職を繰り返し、キャリアアップしていく

のがフィリピン流であろうと理解していたんですが、

実際は全く別で大変驚きました。

・学歴・階級社会

・年功序列

です。



会社の中でも、

4年制/5年制大学を卒業した人は、

次に昇格できるポジションがAsst. Headなどの「職制」となりますが、

2年制の卒業者などは、昇格も基準が違って一苦労です。

そして、将来到達できるポジションも制限されています。



日本も学歴社会だったり年功序列社会だったりしたわけですが、

それでも、最終的には実力と結果で評価されて、

事例は少ないにしても「下剋上」に近いことは有り得ました。



しかし、フィリピンは「下剋上」は非常に難しい。



良いのか悪いのか、部下達はエービーマンに実力を評価されます。

だって、会社の人事評価のシートも実力評価になっているんですよ。

だから当然、デキるヤツが評価が高く、昇格の対象となります。

結果、下剋上が起き始めました。



これがまた厄介。



一応、追い越される「上」に了解を取った上での人事なんですが、

若い上司は先輩である部下にモノが言えない。

で、その先輩である部下が管轄すべき仕事を、若い上司がやっちゃう。

若い上司がやっちゃうので、先輩である部下は自分の仕事が出来ない。

ギクシャクしてます。



社会的に、シニアに指図するというのは大変難しい、みたいです。



しかし、そんなことだから、いつまで経ってもダメなんだよなぁ。



発展途上国の特徴として、数年で世代が大きく変わる気がするんです。

国の発展と共に、日進月歩で外国から新しいモノが入ってくる。

日本も日進月歩だけど、多くの国民がそれについていける。

日本の場合は先進国で、まして技術の大半は日本発だったりもします。

でもフィリピンの場合は、まだまだ外国からの流入が多い。



国の発展と共に、教育の場も変わってきているはずです。

根幹は変わらないにしても、

今まで学校にはなかったので教科書でしか勉強しなかったコトが、

今は学校に備わったりしている。

パソコンが良い例だと思います。



なので、我が社に入ってくる人材も、年を追う毎に賢くなっています。

そうなると、30代のフィリピン人とかは一世代前の人となる。

それでも日々勉強して追いつける人は良い。

40代になってくると、ついて来れない人が出てきます。

エービーマンからすると、二世代前、あるいは、三世代前に思えます。

この人たちが厄介です。



昔はその程度でも「デキル人」だったんです。

みんなからそう評価されていた。

だから今要職に就いている。

でも、後からどんどん入ってくる部下の方が、知識も豊富で仕事も早い。

でも、その古い世代の上司達は、ついていけない。

当然、部下が言うことを聞かなくなる。

それじゃまずいので、何とかして自分の力を誇張して見せようとする。

そこで、おかしな行動に出て、余計に部下の信頼を失う。

そのパターンを数多く見てきました。



目上の人に敬意を払うのは重要なことですが、

それは人生の先輩として敬意を払うべきであって、

仕事は別だよ。。。

まだその考えはフィリピン社会では受け入れられないですね。。。



エービーマンでした。