※ この項は、趣味の話です。

 

 

 

 

 

切手・古銭の即売会(心斎橋)


 

心斎橋で切手・古銭の即売会が開催されます。
 

おおさか大収集まつり……令和6年2月16日から18日迄、御堂筋ビルにて(心斎橋駅下車)
 

 複数の切手店、古銭店が出店します。切手類に関しては、初日カバーやエンタイアなど、百貨店の売り場などには、普段は余り置かれることのないものも多く出品されます。古銭に関しては、100円程度のものから、珍しいもの迄、多くとり揃えられます。
 

 最近は、特に、切手の店が急速に減少してきています。例えば、今年3月末に、堺市にある有名店が閉店すると伝えられています。私のような、もの集めが好きな人間は、切手・古銭の店舗や百貨店の売り場の光景、即売会の光景が今後も続くことを願うばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 


日本万国博覧会寄附金付き切手 昭和44年3月15日発行
 

 

 この切手は、日本万国博覧会の開会、そして一般入場が一年後に迫った昭和44年3月15日に発行されました。昭和43年11月から販売が開始された万国博の前売り入場券は、暫くは売れ行きが良くなかったようです。それに対して、切手は、好調の売れ行きをみせ、大都市の大きな郵便局では、発売開始時から長い行列が出来たようです。
 

 当時は、現在よりも切手に関心が向けられることが多く、蒐集している人に加えて、特に集めていると云うわけではない人でも、気が向けば買うと云うことがよくあったと思われることや、この切手の図柄が好評であったと云うことがあります。勿論万博熱が、昂まってきたことの表れでもありました。
 

 寄附金付き切手のうち15円切手には、地球と日本万国博覧会のマークが描かれています。50円切手には、京都の智積院にある「桜図」の一部が意匠にされています。
 

 昭和45年3月に発行された第一次の日本万国博覧会記念切手のうち50円切手には、尾形光琳の全盛期の作品である「燕子花図屏風」が意匠とされています。
 

 昭和45年6月に発行された第二次の日本万国博覧会記念切手のうち50円切手には、酒井抱一の「夏秋草図」が意匠とされています。酒井抱一は、晩年、尾形光琳に傾倒しており、この夏秋草図は琳派最後の名作と云うことです。
 (50円切手の意匠となった屏風に関しては、「標準切手カタログ」(昭和58年度前期版)の解説に基づいて記述しています。))
 

 万国博の寄附金付き切手、第一次、第二次の記念切手のうちの、50円切手3種で以って、万博が開催される、春、夏、秋の季節に対応した、三福対の切手になっていると云うことです。(山根重次『日本の切手Ⅱ』(保育社、昭和46年)

 

日本万国博覧会記念切手(第一次)の小型シート

 

日本万国博覧会記念切手(第二次)の小型シート

 

 

 

 

 


 
 

 

 

 

 

 我が国で初めての寄附金付きの切手は、昭和12年に発行された航空愛国切手です。民間飛行場を整備する一助とされました。大東亜戦争中は、シンガポール陥落記念切手、大東亜戦争一周年記念切手が、国防献金付きの切手として発行されました。満洲国では、昭和20年9月に国防献金切手が発行される予定でしたが、ソ連軍の侵攻で不発行となりました。この不発行国防献金切手は、残存数が非常に少ないことでも知られています(※)。

 

 戦後は、昭和22年、23年に赤十字共同募金などの一助として、寄附金付き切手が発行されましたが、売れ行きが余り思わしくなかったことから、以降、暫くは、切手、葉書を通じての募金事業は、お年玉付き年賀はがきの附加金のみとなりました。
 (『日本の切手 Ⅰ』、『日本の切手 Ⅱ』、『日本郵便切手明鑑』(切手趣味社、昭和42年)を参照)
 

 東京オリンピックの準備が進められていた昭和36年に、オリンピックの運営資金の一部とする為に、寄附金付き切手の発行が始まり、以後、東京オリンピックの寄附金付き切手は、5次に亘り発行されました。それ以降、寄附金付き切手の発行は、博覧会などの行事に際してのものが多くなります。癌征圧運動や高松塚古墳保存事業、阪神淡路大震災復興などに関しても寄附金付き切手が発行されています。

 

 以上、切手の歴史の一端として書きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(※)尚、この不発行国防献金切手の小型シートと称するものがあるようです。勿論、参考品です。不発行国防献金切手の本物は、恐らく単片のみです。不発行国防献金切手には、小型シートは作成されていないのではないかと思います。

 非常に稀少であったり、高価であったりする切手の参考品が作られることはあるようです。入手が困難な切手の代替として、蒐集品の一部にしている人がいるようです。然し、実在していないものの参考品を作るのは、どうなのだろうかと思います。どのような人が作ったのか分かりませんが。

 不発行国防献金切手の本物(本物の単片)は極めて少なく、殆ど市場に出ることはありません。)