龍安寺「護国寺君」
護国寺「はい」
龍安寺「やっとゴールデンウイークも明けて、今日から忙しい日々がまた始まったね」
護国寺「昨日すでに始まってますけど。完全に連休ボケですね」
龍安寺「話を戻そう」
護国寺「どこにですか?」
龍安寺「君は苦しみを感じたことはあるか?あるいは悲しみを感じたことは?」
護国寺「そりゃたくさんありますよ。好きだった子が僕の友達と付き合ってたとか」
龍安寺「なるほど、それは切ないな。で、その結果どうなった?」
護国寺「どうもこうもありませんよ。悔しさと哀しさで枕を涙で濡らしました」
龍安寺「またクラシカルな表現だね」
護国寺「いけませんか?」
龍安寺「いや、それでいい」
護国寺「そうですか。それでいいんですか」
龍安寺「そうなのだ。それでいいのだ」
護国寺「バカボンのパパ……」
龍安寺「彼のこの有名なセリフは、バカボンのパパが最高の師匠である証拠だ」
護国寺「どういうことですか?」
龍安寺「これでいいとすべてを受け入れる、それは禅の心だからだ」
護国寺「すべてを受け入れてしまっていいんでしょうか?」
龍安寺「神はすべてを受け入れる。なぜなら神は無条件の愛だからだ。愛はすべてを赦し、すべてを受け入れる。だから君も友達に女を取られたことを受け入れることだ」
護国寺「ゼッタイやだし。仏教に神様は出てきませんし」
龍安寺「すべての宗教は同じことを言っていると教えただろ」
護国寺「確かにそう教わりました」
龍安寺「愛はすべてを赦す、とおトキさんも歌ってる」
護国寺「誰ですか?」
龍安寺「知らんのか?」
護国寺「知りません」
龍安寺「おトキさんと言ったら加藤登紀子さんに決まってるじゃんかコラ」
護国寺「知りませんってば」
龍安寺「あのアルバムは素晴らしい出来だった。今はなかなか手に入らないようだ」
護国寺「先生、遠い目はやめて話を進めてください」
愛はすべてを赦す
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意外と簡単に見つかりました。
龍安寺「目の前の出来事をすべて受け入れるということはつまり、神の視座に立つということだ」
護国寺「はい?何言ってるんですか?」
つづく
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