【サイバー攻撃に関するドイツ国防省の研究】

 昨日に引き続き、ESMTで聞き取れた話題の紹介をしていきます。

 ドイツ国防省(German Federal Ministry of Defence)のカトリーン氏は、彼らのサイバー攻撃に関する研究として、以下のような着眼点があると語っていました。


・「サイバー攻撃はフィクションではない」
 サイバー(サイバースペース)に於ける様々な攻撃は、すでにSF小説の中での出来事ではない。それはすでに現実の脅威であり、物理的な損害をもたらしうるものである。

・「ハイブリッド戦争とサイバー攻撃」
 サイバー攻撃は、ハイブリッド戦争(ロシアがクリミアで用いた戦い方)の主要な手段のひとつである。ハイブリッド戦争の文脈の中で用いられることによって、サイバー攻撃は(前述のような物理的なものに留まらず)「フェイクニュース」などの「情報の撹乱」を通じて、我々に精神的なダメージを与えてくる。つまり、交戦意欲、士気に直接ダメージを与えるということである。


・「サイバー攻撃は攻勢兵器か防勢兵器か」
 サイバー攻撃に関して、それが攻勢兵器か防勢兵器かという議論があるが、そういった議論はナンセンスである。あらゆる兵器に関して、攻勢兵器か防勢兵器かという性質は本質的に付随するものではない。それは我々が「どのように使うか」に依存する。


・「サイバー攻撃に携わる者」
 サイバー攻撃には、全ての軍関係者が関係することになる。「俺は○○の担当だから、サイバーは関係ない、それはあいつらの仕事」などといった態度は通用しない。全員が当事者となる。